「鶏口牛後」とは?意味や使い方をご紹介

「鶏口牛後」という言葉、みなさんは知っていますか?「鶏」と「牛」に関係していそうだということは何となく想像できますが、一体どんな意味なんでしょう?ここでは、そんな「鶏口牛後」の意味や使い方を、由来も含めて詳しくご紹介しています。

目次

  1. 「鶏口牛後」の読み方と意味
  2. 「鶏口牛後」の由来
  3. 「鶏口牛後」の時代背景
  4. 「鶏口牛後」の使い方
  5. 「鶏口牛後」の関連語句
  6. 「鶏口牛後」のまとめ

「鶏口牛後」の読み方と意味

「けいこうぎゅうご」と読みます。日本では「鶏頭牛尾」といわれることもありますが、同じ意味となります。

意味は、大きな組織の末端で人に使われるよりも、小さな組織でも首長として尊重されるほうがよいということです。

「鶏口」は鶏の口のことで、鶏の一番前にあることから、小さな組織の長を意味しています。「牛後」は牛のお尻のことで、大きなものの一番後ろに属しているもの、大きな組織の末端の者の例えです。では、どういう由来でこの言葉が生まれたのでしょうか。

「鶏口牛後」の由来

「鶏口牛後」の由来は、中国の歴史書『史記』の中の「蘇秦(そしん)」という弁論家の言葉です。

“寧為鶏口、無為牛後。”
“寧(むし)ろ鶏口と為るとも、牛後と為ること無かれ。”

これは、秦の国の支配に抵抗するために、蘇秦が韓王に「強大国の秦の属国となって秦の言いなりになるより、小さくても一国の王であったほうがいい。」と、説いている言葉です。ここから「鶏口牛後」が生まれました。

この蘇秦の言葉を原文では“鄙諺(ひげん)”と表現しています。「鄙諺(ひげん)」とは、卑しい諺(ことわざ)や下品な諺といった意味です。なので、蘇秦は韓王に対して暗に「おまえは牛の尻の〇だ!」と、下品に罵って、やる気を引き出したと思われます。

「鶏口牛後」の時代背景

「鶏口牛後」由来は先ほど述べましたが、この言葉の背景にどんな時代の動きがあったのか見てみましょう。

戦国時代の中国は、秦という強大な力を誇る大国と、その他六つの小国で成り立っていました。秦は強大な力を誇っていたので、他の国々に対して領土を分割して献上するように要求しました。それに対して六か国で同盟を組んで対抗するために、蘇秦が諸国を説得して回り、同盟に対して消極的だった韓の国の王「宣恵王(せんけいおう)」に「鶏口牛後」の語源となった言葉を用いて説得をし、同盟を成立させました。

この同盟が功を奏したのか、15年にわたって秦が他国を侵略することはありませんでした。蘇秦は南北に連なる秦を除いた六国に同盟を組ませることで、秦の力を抑え込み侵略行為を妨げようとしたのです。

「鶏口牛後」の使い方


では、「鶏口牛後」はどの様に使うのでしょうか。例文を見てみましょう。

「鶏口牛後」の例文

1.大企業で会社の為に東奔西走する生活より、「鶏口牛後」の精神で独立し、お客様の顔が見える個人商店を営みたい。

2.「鶏口牛後」にはあこがれるが、子どもの教育資金や自分の老後のことを考えると、公務員の安定した職を捨てることが出来ない。

3.トップリーグのチームで万年補欠に甘んじるより、ローカルリーグでもいいから第一線で活躍するために移籍することにした。これぞ「鶏口牛後」だ。

「鶏口牛後」の関連語句

「鶏口牛後」の類義語と対義語、「鶏」や「牛」の文字を用いた表現の一部をご紹介します。

「鶏口牛後」の類義語

1.鶏尸牛従(けいしぎゅうしょう)
2.芋頭でも頭は頭
3.大烏の尾より小烏の頭
4.鯛の尾より鰯の頭

「鶏口牛後」の対義語

1.寄らば大樹のかげ
2.鰯(いわし)の頭より鯛の尻尾
3.良禽(りょうきん)は木を択ぶ
※良禽は賢い鳥の意味
4.犬になるなら大家の犬になれ

「鶏」と「牛」も用いた表現

1.鶏尸牛従(けいしぎゅうしょう)
「鶏口牛後」と同意。

2.割鶏牛刀(かっけいぎゅうとう)
小さなことを処理するのに、無駄に大袈裟な手段を用いること。

「鶏」を用いた表現

1.群鶏一鶴(ぐんけいのいっかく)
多くの凡人の中に一人だけ優れた人物が混ざっていること。

2.鶏犬不寧(けいけんふねい)
非常に緊迫した状況下で心が落ち着かないこと。「鶏犬も寧からず」とも読む。

3.甕裡醯鶏(おうりけいけい)
見識が狭く、世間知らずな人のこと。

「牛」を用いた表現

1.牛頭馬頭(ごずめず)
地獄にいる牛の頭をした鬼と馬の頭をした鬼のこと。仏教用語。

2.火牛之計(かぎゅうのけい)
牛の角に刀剣をくくりつけ、尾に火を付けて、敵陣に突撃させる戦法のこと。 

3.牛歩戦術(ぎゅうほせんじゅつ)
日本の国会において、少数派の議員が議会内の投票を妨害する為に、投票箱まで時間をかけてゆっくり進む行為のこと。

「鶏口牛後」のまとめ

いかがでしたでしょうか、「鶏口牛後」の意味や使い方をご理解いただけましたか。「鶏口牛後」という文字を見ただけでは、「鶏口」と「牛後」の関係がわかりにくいですし、今の時代「鶏口」と「牛後」のどちらの立場が良いかは人それぞれかと思います。使い方で迷った時には、この由来となった逸話を思い出して、正しく使ってくださいね。


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