「ドン」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「ドン」と聞いて何を連想するでしょうか?カタカナの「ドン」ひらがなの「どん」漢字の「鈍」や「丼」。「ドン」は人名やオノマトペや通貨など様々な国や地域で使われている言葉です。ここでは「ドン」の意味や使い方についてご紹介します。

目次

  1. 「ドン」とは
  2. 敬称の「ドン」
  3. 接尾語の「ドン」
  4. 人名の「ドン」
  5. オノマトペの「ドン」
  6. 通貨の「ドン」
  7. 漢字表記の「ドン」

「ドン」とは


「ドン」はカタカナ、ひらがな、漢字のどれで表すかによって、

  • 敬称
  • 人名
  • オノマトペ
  • 通貨
  • 接尾語
  • (漢字表記の)鈍、丼、呑、貧、曇
など様々な顔を持っています。

敬称の「ドン」

男性の名前の前につける敬称

「ドン」はスペインやポルトガル語圏で、身分の高い人や聖職者に対する敬称として使われており、ラテン語の「ドミヌス」に由来すると言われています。

「ドミヌス」は元々「主人」「所有者」の意でしたが、ローマ帝国時代に主権を持つ者(政治的支配者)の称号として用いられ、そこから次第に「君主への敬称」として定着していきました。また「ドン」は男性限定の敬称で、相手が女性の場合はスペイン語でドーニャ、ポルトガル語でドナになります。

ちなみに「ドン」は個人名の前につけますが、「セニョール」は姓につく敬称です。ただし「ドン+個人名」の前につけることもできます。英語の「ミスター」「サー」、フランス語の「ムッシュ」に当たる敬称です。

首領などの呼称

「ドン」はマフィアなどの犯罪組織の首領やボスの呼称としても使われます。主に南イタリアの影響を受けたアメリカ英語圏で使われています。

日本語でも「球界のドン」「政界のドン」「芸能界のドン」など、各界の大物実力者を「ドン」と呼ぶことがあります。

接尾語の「ドン」

接尾語の「〇〇どん」は、人名や人を表す名詞の後につける敬称です。商家などで主人が使用人を呼ぶときや同輩同士が呼び合うときに使い、軽い敬意と親愛の気持ちを含んでいます。(例「番頭どん」「おさよどん」)

「どの(殿)」が転じた言葉との説もありますが、鹿児島県などでは一般的な敬称としても使われました。2018年に放送されたNHK大河ドラマ『西郷どん』の「どん」が好例ですね。

人名の「ドン」

ドン・ファン Don Juan

ドン・ファンは17世紀のスペインの伝説的人物の名です。無類の色事師として多くの文学作品に登場することから転じて、「ドン・ファン=女たらし、好色漢、漁色家」という意味で使われます。

英語・フランス語名では、ドン・ジョアン、イタリア語名では、ドン・ジョバンニとなります。ドン・ジョバンニはモーツァルトの同名オペラの主人公としても有名です。

ドン・キホーテ Don Quijote

スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説名であり、その中に登場する主人公の名前がドン・キホーテ(デ・ラ・マンチャ)です。主人公のドン・キホーテが空想的理想主義者だったため、「あいつはドン・キホーテみたいだな」とか「ドン・キホーテ的なミスをしてしまったよ」という風に比喩でも使われます。

比喩としてのドン・キホーテは、「あまり深く考えずに大きな物事に挑戦するさま」をいいます。とはいえ否定的な意味合いだけではなく、「勇気をもって果敢に挑戦する」といった好意的な表現で使われることもあります。

ちなみに株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが展開する総合ディスカウントストアである「ドン・キホーテ」の店舗ロゴは、「ドン.キホーテ」という表記です。ドンとキホーテの間がピリオドなんですね。

ドン・コルレオーネ Don Corleone

「ドン・コルレオーネ」は、マリオ・プーゾの小説及び、それを原作とした映画『ゴッドファーザー』の登場人物であるヴィトー・アンドリーニ・コルレオーネの敬称です。

コルレオーネ・ファミリーのリーダーで、ニューヨークにマフィア帝国を築き人々に尊敬されているという人物設定で、映画史上特に有名なキャラクターです。

ドン・ガバチョ Don Gabacho

「ドン・ガバチョ」は人形劇『ひょっこりひょうたん島』に出てくる登場人物で、イギリカ国ドンドン市の政治家です。ひょうたん島の大統領ですね。

オノマトペの「ドン」

オノマトペとしての「ドン」は、爆発・衝突・衝撃波・発砲などの擬声語で、「ドン」「ドーン」というふうに表します。

また明治初期から昭和初期にかけては、正午を知らせる際に号砲が鳴らされていたのですが、この号砲や号砲の音を「どん」といいます。「どん」は各地で鳴らされており、東京では江戸城の旧本丸で空砲を鳴らしていました。

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通貨の「ドン」

ベトナム社会主義共和国の通貨単位も「ドン」といいます。「ドン」はベトナム語で「銅」を表します。ベトナムでは古くから銅銭が流通していたことから、通貨の名前になったといわれます。1ドンは1銅、つまり銅銭1枚分です。

漢字表記の「ドン」

  • 感覚がにぶいこと。動作がのろいこと。(例:鈍感)
  • 刃物などの切れ味がわるいこと。(例:鈍磨)
  • 角度が直角よりも大きいこと。(例:鈍角)
  • 色があざやかでないこと。(例:鈍色)

  • どんぶりもの。(例:カツ丼、親子丼、うな丼)
  • どんぶりの略語。

  • のむ。のみこむこと。(例:呑吐、併呑)
  • 黄桜株式会社の清酒名

  • むさぼる。(例:貪婬)
  • よくばる。不当に物をほしがる。(例:貪欲、貪婪)

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  • 雲がかかること。くもる。くもり。(例:曇天)

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