「サクラップ」とは?意味や使い方をご紹介

「サクラップ」という言葉をご存知でしょうか?一見すると何かの商品名のようですが、これはジャニーズ事務所に所属するアイドルグループ「嵐」のメンバーの一人である櫻井翔に由来する言葉です。今回は「サクラップ」の意味や使い方を、実際のラップ詞と共にご紹介いたします。

目次

  1. 「サクラップ」とは
  2. 「サクラップ」誕生のきっかけ
  3. 「サクラップ」の使い方
  4. 「サクラップ」の特徴
  5. 「サクラップ」の評価

「サクラップ」とは

「サクラップ」アイドルグループ「嵐」の楽曲において、メンバーの櫻井翔が作詞し、歌唱するラップの総称で、「櫻井(さくらい)」と「ラップ」を掛け合わせた造語です。

嵐の楽曲のラップ詞は初期や例外を除き、ほぼ櫻井が担当しており、「サクラップ」はその歌詞や櫻井独特の歌い方を表しています。

「サクラップ」誕生のきっかけ

櫻井がラップ詞を書くようになったのは、デビュー後しばらく仕事が無かった頃のことでした。勉強を兼ねて様々なアーティストのライブに行くうちに、音楽グループ「m-flo」のVERBALと知り合い、「なんで自分でラップ書かないの?」と問われたことがきっかけだったようです。

その後2003年にリリースされた「言葉よりも大切なもの」で、櫻井のラップが初めてシングルカットの曲で採用され、以降リリースされる曲のラップ詞はほぼ櫻井が手掛けています。

「サクラップ」の使い方

「サクラップ」は「櫻井翔のラップ」として名詞のように使われます。

  • サクラップきたー!!(櫻井がラップを始めた)
  • 大野君の曲にサクラップ入ってる(大野のソロ曲に櫻井作詞のラップがある)

「サクラップ」の特徴

では、「サクラップ」と称される櫻井のラップにはどんな特徴があるのでしょうか?いくつか取り上げてご紹介します。

①英語のように日本語を発音

まず特徴的なのが発音です。例えば2009年にリリースされた「Believe」という曲のラップ詞の一節を見てみましょう。
 

小さいプライド守るため
誰かを不意に傷つける

最後の「傷つける」をローマ字に分解すると「kizu/tsu/keru」になりますが、櫻井のラップは「け(keru)」の最後の母音uを省略し、「kelと英語の「L」に近い発音をしています。

このように最後の母音を省略し、舌を巻くようにもったりとラ行を発音するのは「サクラップ」の特徴のひとつです。これにより、日本語のフレーズが英語のように聞こえます。

②アイドルソングらしい前向きさ

アイドルソングらしいポップさも「サクラップ」の特徴です。
 

「右へならえ」から踏み出すこの一歩を
打った点が分ける結果
陰と陽
だから知っとこう
生きるヒントを
かすむ蜃気楼すらも掴む勢い

2005年にリリースされた「サクラ咲け」という曲の中のラップ詞です。応援ソングとしての力強く前向きな詞が特徴です。

③曲の世界観を優先した詞

「サクラップ」はあまり日本語と英語を混在させず、一文に意味を持たせているのも特徴です。語呂合わせではなくまず曲の世界観を尊重し、その上で韻、発音、リズムを工夫しています。先にご紹介した「サクラ咲け」にも見られる特徴ですが、ここでは別の曲の詞で見てみましょう。
 

嵐探し辺り騒がしい
そのすさまじい騒ぎ
まさに嵐


2004年に発表された「La tormenta 2004」という、嵐というグループと各メンバーを紹介する曲の中のラップです。嵐の勢いを象徴する詞になっています。

更に、「あらしさり…」と破裂音が多く、これらが「」「」などの濁音と共に強く発音されることで、暴風雨のような騒がしさ、荒々しさを感じさせます。曲のテンポはそもそも速いのですが、この転がるように続く破裂音と濁音が更に曲の勢いを加速させています。

また、「fuck」「bitch」など、ヒップホップ特有の激しい言葉をほとんど使っていないのも「サクラップ」の特徴です。

④HIP-HOPではなくHIP-”POP”

2008年にリリースされたアルバムに「Hip Pop Boogie」という櫻井のソロ曲があります。
 

大卒のアイドルがタイトルを奪い取る
マイク持ちペン持ちタイトルを奪い取る
hip-pop beat yo
ステージ上終身雇用

慶応大学出身のジャニーズアイドルという自らの立場を逆手に取った挑戦的な詞です。そして、この曲のタイトルにはhip-hopと区別するようにhip-”pop”という言葉が使われています。

つまり本職のラッパーたちをリスペクトしつつも、自身のラップはヒップホップではないということを表しているのです。それは、先に挙げたような特徴を持つ「アイドルグループ・嵐の曲のラップ」を櫻井が自覚を持って書いているからでしょう。

「サクラップ」の評価

「サクラップ」の評価は嵐ファンか否か、音楽に携わるか否かといった立場の違いにより様々です。櫻井にラップを勧めたVERBALは、「ラップは上手い下手よりも個性が重要で「サクラップ」にはそれがある」と評しています。

嵐の楽曲と合っていること、櫻井自身が中学の頃からヒップホップを好み、かなり勉強をしてラップ詞を書いてきたという点でも、少なくとも一定の評価は得ているようです。

所詮アイドルのラップと揶揄する意味で「サクラップ」が使われることもありますが、それはこの言葉が「櫻井翔のラップ」として定着していることに他ならず、すでにしっかりとその個性を確立していることの証明と言えるでしょう。

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