「ノマド」とは?
「ノマド」の意味
「ノマド」とは「特定のオフィスにとらわれずに、様々な場所で仕事をするワークスタイル」を指します。また、そのような働き方を「ノマドワーキング」、そうした働き方をする人を「ノマドワーカ―」と呼びます。
働く場所や時間帯は個々人の裁量に任されているため、カフェやコワークスペース、列車や飛行機の中、自宅など様々です。インターネットの発展に伴い現れた新しい働き方で、ノートパソコンやスマートフォンなどのIT機器を利用して仕事をしている人がほとんどです。
「ノマド」の使い方
使用例
- 「今日も通勤に2時間以上かかっている。ノマドな仕事がしたいな。」
- 「ノマドになったって聞いたけど、生活大丈夫なの?不安しかないんだけど。」
- 持病で倒れた彼はノマドで働くそうだ。彼のスキルなら問題ないだろう。
「ノマド」と「フリーランス」
「ノマド」と似た言葉に「フリーランス」があります。「フリーランス」とは「特定の企業や団体に所属していない自由契約者」を指します。元は無所属の俳優や中世ヨーロッパの傭兵などを指す言葉でした。現在では個人事業主を指すことも多くあります。
一方、「ノマド」は「単に働く時間と場所が自由」な働き方です。よって、理論上は「ノマド」で正社員ということも可能です。
「ノマド」の仕事
「ノマド」はその特性上どのような仕事でも適しているわけではありません。「ノマド」の仕事が多いのは次のようなクリエイティブな仕事といわれています。
- プログラマー
- デザイナー
- 記者、ライター
- ユーチューバ―
- 作家、翻訳家
「ノマド」の語源
「ノマド」の語源はフランス語の「nomado」です。元の意味は「遊牧民」です。ヨーロッパのジプシーや、アジアだとモンゴル民族などが有名な遊牧民ですね。
この「nomado」を働き方を指す言葉として使い始めたのは、経済学者ジャック・アタリといわれています。著作『21世紀の歴史』が有名です。
「ノマド」の関連語とその意味
「デジタルノマド」
「デジタルノマド」とは「ノマド」の中でもIT分野に特化し、かつ世界各地を旅しながら働くワークスタイルを指します。文脈によっては「ノマド」と同じ意味で使われることもあります。海外では単に「ノマド」というよりも「デジタルノマド」の方が主流という説もあります。
「超ノマド」
「超ノマド」とは「場所だけでなく国にさえもとらわれずに働くワークスタイル」を指します。場所にとらわれずに働くという点では「ノマド」と同じです。しかし、「超ノマド」は国という概念自体にこだわらず働くことに重きを置いた言葉です。
「ハイパーボヘミアン」
「ハイパーボヘミアン」とは徹底的に自由を追求する考え方を指します。元々「ボヘミアン」はジプシーのことを指す言葉で、近代では社会的な慣習や常識を無視する人々を指しました。「ハイパーボヘミアン」の特徴は場所や国、仕事だけでなく生活や常識などの自由を求めるところです。
「ノマドロジー」
「ノマドロジー」はフランスの哲学者ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリの作った哲学用語です。
遊牧民ではない定住者は自分の住む場所や空間を決めて生活しています。集団を作り、その中の常識や権力にしたがって斉一化されていきます。
一方、遊牧民はそのような制限を受けず、多様性を保ったままでいられます。このように、近代化の中で非現代的と考えられてきた遊牧民的生活を見直す思想を「ノマドロジー」と呼びます。