「鹿島る」の意味
「鹿島る(かしま・る)」は日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟し、現在1部リーグでプレーする「鹿島アントラーズ」というチームを起源とする言葉で、試合終盤の時間稼ぎのことを指します。
鹿島アントラーズは、国内三大タイトル(J1リーグ、Jリーグカップ、天皇杯)で最多優勝数を誇り、2018年にはAFCチャンピオンズリーグでも優勝した国内屈指の強豪チームです。
「鹿島る」の由来
鹿島アントラーズが、リードしている試合の終盤で、相手陣内のコーナーフラッグ付近でボールを回し、試合終了まで時間を稼ぐプレーをみせることがあります。
時には2、3人でボールを回しながら、また時には1人で身体を張ってボールをキープするこのプレーは、相手陣内深くに入ることで敵を足止めし、ボールを失う確率を下げて失点のリスクを回避しています。相手からすれば非常に効果的でいやらしいプレーです。
勝っているのに時間を稼ぐことを卑怯だとみる目もあり、好みの分かれるプレーではありますが、決して簡単には出来ない、技術に裏打ちされたプレーであること、また、的確な状況判断に基づいたプレーであることから、ある種の敬意をもってこの「鹿島る」という言葉は使われています。
また現在は鹿島アントラーズに限らず、サッカーにおける終盤の時間稼ぎのプレーを「鹿島る」と表現します。一方で、鹿島アントラーズがこのプレーをした場合は「お家芸」などと言われ、元祖であることが協調されています。
鹿島アントラーズユース vs インテル・ミラノ
— おおまめ (@oomamesan) April 29, 2018
鹿島ユースの芸術的な時間稼ぎ(^^)
まさに様式美(°▽°) pic.twitter.com/PnQsqE3uIw
「鹿島る」の使い方
「鹿島る」は主に動詞として使われ、次のような用例が挙げられます。
- 鹿島れ!(もうあとは逃げ切るだけだ、時間を稼げ!)
- 鹿島ってる(ボールを回している)
「鹿島る」と「中東戦法」の違い
同じ時間稼ぎに「中東戦法」という言い方があります。サッカーでは、勝っているチームが終盤に時間を稼ぐプレーをすることはよくあることですが、中にはわざと接触してファールをもらい、ピッチにうずくまったまま立ち上がらずに時間を稼ぐ方法があります。
中東のチームに多いプレーであることから「中東戦法」と呼ばれます。AFCアジアカップなどで日本が中東のチームとあたったときによく見られる光景です。
こちらは非難、皮肉を込めて使われることが多く、同じ時間稼ぎでも「鹿島る」とは一線を画していると言えるでしょう。