「精彩を欠く」とは?
「精彩を欠く」は「せいさいをかく」と読みます。表現としてはよく使われる言葉ですが、漢字ではどのように書くか、考えてしまう人も多いかもしれません。
「精彩を欠く」もしくは「精彩に欠ける」のように使われ、ビジネスシーンや報道など、フォーマルな場面においても使うことのできる便利な表現です。
「精彩を欠く」の意味
「精彩を欠く」とは「調子が悪い様子」「生き生きとしていない、活気のない様子」を表す言い回しです。
いつもと違って元気がない様子を表したり、どうも本調子でないように見える場合などによく使われます。
「精彩」「欠く」のそれぞれの意味を、以下でご紹介します。
「精彩」の意味①
「精彩」という漢字だけ見ると、美術やデザイン関係の言葉のように思えますね。漢字のイメージ通り、「輝かしい光や、美しい彩りのこと」という意味があります。この場合は「精彩に富む」という言い方がよく使われます。
【例文】
精彩に富んだ美しい色合いが、彼女の絵の持ち味と言える。
「精彩」の意味②
「精彩」のもう一つの意味は、「鮮やかで生き生きとしていること、活気にあふれていること」です。実際の色合いを表すのではなく、鮮やかで、明るいオーラが出ているようなハツラツとした状態を指します。「精彩を欠く」に使われる「精彩」は、こちらの意味です。
「精彩を欠く」の他に、「精彩を放つ」という表現がよく使われます。
【例文】
映画の主演を務めた女優は、スクリーンの中でひときわ精彩を放っていた。
「欠く」の意味
「欠く」の基本的な意味は「必要なものを備えていない、足りない状態である」という意味です。100パーセントの状態ではなく、不完全な様子を表します。
「茶碗を欠いた」といえば、ぶつけたりして茶碗の一部がなくなってしまったということですね。「怪我で主力選手を欠いた」といえば、チームからその主力の選手が離脱したことを指します。
「精彩を欠く」の使い方
ビジネスシーン
仕事などでミスが目立ったり、成績が良くない状況の際に「精彩を欠く」が使われます。また、会話が盛り上がらないような、重い雰囲気などにも使える言い回しです。
体調や感情など色々な要素によって、仕事の能率が変わってしまうことはよくあることです。そのようなネガティブな状態を婉曲に表現できる、便利な表現といえるでしょう。
【例文】
- 彼はプライベートのトラブルの影響で、仕事でも精彩を欠いている。
- 体調不良もあり、今日のプレゼンは精彩を欠く出来だった。
- 大きな取引を失敗した直後とあって、今日の経営会議は精彩を欠く雰囲気だ。
スポーツ
スポーツ選手などの成績や状態があまり良くないときにも、「精彩を欠く」という表現がよく使われます。チームにも、特定の選手にも、競技全体にも使うことできます。
パフォーマンスが落ちたり、スランプが訪れることは、どうしても避けられません。それを「出来が悪い」や「ぱっとしない」という言い方ではなく、婉曲的な言い方で表せるのが、「精彩を欠く」という表現です。
【例文】
- 昨シーズン精彩を欠いた成績しか残せなかったチームが、今シーズンは優勝を果たした。
- ネット上では、精彩を欠いた彼のプレーがバッシングを受けていた。
- 応援していた選手が大リーグに行ってしまったからか、今年のプロ野球は精彩を欠いているように感じる。
「精彩を欠く」に似た他の表現
切れが悪い
動作やひらめき、技術などに活力や鋭さがない様子を表すのに「切れが悪い」という言い回しを使います。「切れがない」という形も用いられます。
【例文】
ピッチャーの今日のボールは切れが悪く、コントロールも安定していなかったため、一気に6点も取られてしまった。
振るわない
「振るわない」というのは、特に目立ったよいところがない、調子が悪く思ったような成果が残せないといった状態を表す言葉です。
成績や業績がよくないとき、体調不良のときなどに使われます。
【例文】
何か集中できない理由でもあるのか、最近の彼の成績は振るわない。