「杉内」の読み方
「すぎうち」が有力
2018年現在、「杉内」は「すぎうち」と読むことが有力です。「すぎない」と読むのは少数派で、どちらが正しいかは明確にはなっていませんが、主に文脈のうちで、「〜すぎうち」と読むことが主流のようです。
「すぎない」派は少数
「すぎない」と読む場合、否定的なニュアンスまたは、疑問的なニュアンスが含まれると考えられます。否定的な使い方はネット上でもほとんどみられず、肯定文として捉えて良いでしょう。
また、疑問的なニュアンスであれば、「〜すぎない?」と、「?」が付くはずだという意見もあります。「〜杉内?」というコメントもほぼみられないので、「〜すぎうち」が有力であると考えられます。
「杉内」の意味
過剰であることを指す
「〜杉内」というのは、「〜過ぎる」という意味です。「すぎ」という読み方で「過ぎ」と語呂を合わせており、「うち」はそのまま付属しているだけで特に意味は持ちません。何かの物事の度合いがとても大きい時に、「〜過ぎる」ではなく、「〜杉内」と表現します。
「杉内」の使い方
形容詞に続けて使う
基本的に、物事の度合いが大きい時、形容詞を強調する時に使います。ネガティブなことにも、ポジティブなことにも、どちらにも使えるようです。
使用例として、多くみられるのが「ヤバ過ぎる」を変化させた「ヤバ杉内」です。他にも「すご過ぎる」を「すご杉内」、「面白過ぎる」を「面白杉内」といったような使い方をします。
以下にその他の使用例をご紹介します。
酷杉内 | 酷過ぎる |
怖杉内 | 怖過ぎる |
寒杉内 | 寒過ぎる |
暇杉内 | 暇過ぎる |
キモ杉内 | キモ過ぎる |
応用編
形容詞に続けることが多いですが、「〜し杉内」など動詞に続ける使い方もあります。とにかく、「〜過ぎ」という言葉が入る文脈で使うことができます。
また、「(笑)」を意味する「w」と一緒に使われることが多いため、事象に対して嘲笑する意味を込めて使われることも多いようです。
「杉内」とは?
そもそも杉内って誰?
杉内さん誕生日おめでとうございます!!現役引退はとても悲しかったですがコーチになってとても嬉しかったです。コーチとしても頑張ってください!!#杉内俊哉 pic.twitter.com/IvXJucxaZr
— いまむー@G党#18 (@imamuDOME) October 29, 2018
「杉内」とは、プロ野球、読売ジャイアンツに所属し、2018年シーズン終了後に引退を発表した杉内俊哉選手のことです。福岡県出身で、福岡ソフトバンクホークス(元ダイエーホークス)に入団し、多くのタイトルを獲得してきた凄い投手なのです。
また、杉内選手は日本野球史上で唯一、高校野球全国大会とプロ野球でノーヒットノーランを達成しています。松坂大輔選手と同期、いわゆる松坂世代の一人でもあります。
読売ジャイアンツへの移籍
福岡ソフトバンクホークス時代、杉内選手は球界を代表する投手になる程の活躍をしました。そして、「ずっと福岡でプレーしたい」と明言していました。
しかし、2011年シーズン終了後の契約更改において、球団独自の年棒の査定に不満を持ち、読売ジャイアンツに移籍することとなります。契約金は4年総額20億円で、大型契約を勝ち取ることとなります。
怪我に悩まされ引退
大型移籍となった杉内選手ですが、1年目は最多奪三振、最高勝率などのタイトルを獲得するなど、12勝を挙げる期待通りの活躍をします。2年目、3年目も二桁勝利を上げており、ジャイアンツを支える中心投手となりました。
しかし、4年目のシーズン中に股関節を痛め、この年は良い成績を残せませんでした。シーズン終了後には過去に前例のない右股関節手術をし、リハビリ生活をすることとなります。
そして、この年の契約更改で、球界史上最大となる大減棒を受け入れます。金額は4億5000万円減の5000万円で、単年契約をすることになりますが、結局、その後一軍の試合で投げることはありませんでした。2018年シーズン終了後、引退を発表することになります。
「杉内」が使われる理由
結論から言えば、なぜ杉内選手の名前が使われるようになったのか、という明確な理由はわかりません。「〜杉内」というのは「なんj(なんじぇいスタジアム)」というプロ野球のネット掲示板が発祥と言われています。そこで使われるようになった時期を考えると、その要因をいくつか挙げることができます。
金銭的要因
最たるものは金銭的要因です。「ずっと福岡でプレーしたい」と言っていた杉内選手が、金銭的に不満があり、移籍を決断しました。また、不満から契約を渋る傾向があり、契約更改期には「銭闘員」と呼ばれる節がありました。
ネット上では、「渋り過ぎ」、「伸ばし過ぎ」といった評判が出始めます。選手評価に厳しい「なんj」では批判と嘲笑の意で、杉内選手の名前を使い始めたように考えられます。
素行における要因
他にも、杉内選手の行動にも要因がみられます。「杉内」という言葉が使われ始める前になりますが、ソフトバンクホークス時代、思い通りの投球ができず、ベンチを両手で殴るという事件がありました。
この件によって骨折と診断され、試合に出られなくなりました。球団関係者からは罰金と厳重注意を受け、各方面からも、選手の商売道具である身体の扱い方に対するプロ意識の低さを指摘されました。
また、不倫報道があったりと、素行においての問題が取り上げられています。直接的な原因ではないですが、これらの要因が重なって、揶揄する要因の一つになったのではないでしょうか。
まとめ
「杉内」という言葉の理解は深まったでしょうか?2018年、現役を引退した杉内選手は、読売ジャイアンツのコーチとして就任することになりました。投手として実績もあり、多くの人に愛された選手であることに違いはありません。
現在でも「〜杉内俊哉」と、フルネームで使われているのを多く見かけます。当初の「嘲笑」の意というよりも、「愛着」や「語呂の良さ」によって使われているようです。杉内選手の第二の人生の活躍を願いながら、「杉内」という言葉を使っていただけたらと思います。