「空前」とは?意味や使い方をご紹介

「空前」という言葉をご存知でしょうか。「空前」という熟語だけではあまり見聞きしませんが、「空前絶後」などの形では見かけたことがあるのではないでしょうか。ここでは「空前」という言葉の意味や使い方、四字熟語や類義語などを、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「空前」の読み方
  2. 「空前」の意味
  3. 「空前」の使い方
  4. 「空前」を含む四字熟語
  5. 「空前」の類義語

「空前」の読み方

まず「空前」は、「くうぜん」と読みます。「空」の字は訓読みで「そら」、「から」、「あ(ける)」と読み、表外では「うつ(ろ)」、「うろ」、「あな」、「す(く)」、「むな(しい)」とも読みます。

「前」の字は訓読みで「まえ」、表外では「さき」とも読みます。「空」に関しては、名前にもよく使われている字です。

「空前」の意味

「空前」とは、それより以前には例がないこと、先例がないことを表します。

「空」の字は、からっぽ、何もないなどの意味を持っています。一方で「前」は、順序が先、ある時点よりも前などの意味を持っています。

つまり「空前」は、そのときより前には一度もなく、極めて珍しいという意味を含んでいます。

「空前」の使い方

「空前」は先例がないことや、極めて珍しいことを指して使われますが、多くは規模の大きさを表すときに用いられます

たとえば「空前の盛り上がりだ」と使えば、「先例がないくらいの盛り上がりだ」と伝わります。他には「空前の大ヒット作!」という風に、映画などのキャッチフレーズとしても見かけます。

「空前」を含む四字熟語

「空前」を含む四字熟語としては、「史上空前」や「空前絶後」などが挙げられます。とりわけ「空前絶後」は、様々な場で使われています。

「史上空前」について

「史上空前」は「しじょうくうぜん」と読み、以前に一度もないほど、珍しいことを意味します。「史上」とは歴史に記録されている範囲、歴史上のことです。

「空前の大ヒット作」と「史上空前の大ヒット作」を比較すると、後者の方が強いニュアンスを与えます。ただしあくまでも「一度もないほど」なので、必ずしも歴史上で初めてとは限りません。

「空前絶後」について

「空前絶後」は「くうぜんぜつご」と読み、今までに一度もなく、これからもあり得ないと思われることを表します。

「絶後」は、今後もう起こる試しがない、という意味を持っています。よって「空前絶後」の範囲は以前に加えて、以後、引いては未来まで含めています。

つまり「空前絶後」もまた「空前」を強調した言葉であり、上述の「史上空前」よりも、更に強いニュアンスです。

「空前絶後」が使われている例

かの有名な「ドラゴンボール」のゲームアプリ、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」の中で、「空前絶後の最強フュージョン」というコンテンツがあります。

他にはお笑い芸人の「サンシャイン池崎」は、「空前絶後の~」という前振りから、独特な自己紹介をしたりしています。「空前絶後」はそのスケールの大きさから用途が幅広く、様々な場で使われている言葉です。

「空前」の類義語

「空前」の類義語には、「未曾有」や「前代未聞」などがあります。

「未曾有」について

「未曾有」は「みぞう」と読み、今まで一度もなかったこと、とても珍しいことを表します。この言葉は仏教用語で「驚いた」という意味の、サンスクリット語が語源です。

よって「空前」と意味は似ておりますが、たとえば「未曾有の危機」や「未曾有の脅威」という風に、「未曾有」は驚いたとき、想定外の事態に使われています。

「前代未聞」について

「前代未聞」は「ぜんだいみもん」と読み、今までに一度も聞いたことのない、程度の甚だしいこと、珍しく変わった出来事を表します。

たとえば「こんな失敗は前代未聞です」と使えば、「失敗の程度が甚だしい」と伝わり、呆れのニュアンスを含みます。曖昧ながらもそういった部分が、「空前」や「未曾有」とは異なります。

この言葉は良い意味、悪い意味の両方で使われますが、どちらかと言えば「前代未聞の事件」など、悪い意味で使われることが多いでしょう。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ