「震え声」とは?意味や使い方を語源を含めてご紹介

ネットスラングで「震え声」という言葉があります。ネット上の文章に対して、音である「声」という表現を用いる、ちょっと不思議な言葉。今ではすっかり一般的に使われるネットスラングとなりました。今回はこの震え声の意味や使い方、意外な語源について解説していきます。

目次

  1. 「震え声」の意味
  2. なぜ、震え声になるのか
  3. 「震え声」の例文
  4. 「震え声」の使い方
  5. 「震え声」の意外な語源
  6. 「震え声」まとめ

「震え声」の意味

「震え声」の辞書的な意味は、「震えている声」です。ちょっと上ずったりしている声のことを指す言葉です。

しかし、ネットスラングとしての「震え声」は、単に声が震えている、以上の意味を持っています。

ネットスラングの「震え声」には、「自信のないことをあえて言う、間違っていることをあえて言う、無理だとわかっていることをあえて言う」という意味があります。「本来言うべきではないことをあえて言う」といった意味合いがあるのです。

なぜ、震え声になるのか

そもそも、人間の声が震える時とはどういう状況なのでしょうか。人は、極度の緊張や過度のストレスがかかると、声が震えます。この緊張はストレスの背景には、恐怖感や羞恥心があると言われています。

「震え声」には、このうちの羞恥心が強く影響しています。冗談を言ったり虚勢を張ったりするときに「震え声」を使うことで、「心にもないことをあえて言って恥ずかしい」という感情を表すことができるのです。

「震え声」の例文

自信のないことをあえて言う場合

  • 「や……やれるだけやってみます……(震え声)」
  • 「たぶん、大丈夫だと思います(震え声)」
このように、「震え声」は自信がないことをあえて言う場合に使います。文章としては「できる」「大丈夫」という言葉を使っていても、「(震え声)」と表記することで、「実は自信がない」「できないと思っている」というニュアンスを込めることができます。

間違っていることをあえて言う場合

  • 「何言ってるんだ? 1+1=3だろ?(震え声)」
  • 「ほら、俺って、イケメンじゃん……(震え声)」
  • 「え? アラフォーなんですか? もっと若いと思ってました(震え声)」
「震え声」は、間違っていること・思ってもいないことをあえて言う場合にも使います。この場合、「震え声」をつけることによって、「間違っているとわかっていてあえて言っている」というニュアンスが含まれ、発言内容が本心ではなく冗談であることを相手に伝えることができます。

無理だとわかっていることをあえて言う場合

  • 「ほら、1万円あればヨーロッパ一周とかできるし(震え声)」
  • 「今から全力でやれば、終電には間に合うんじゃない?(震え声)」
  • 「まあ、このくらい楽勝だよ(震え声)」
「震え声」は、無理だとわかっていることをあえて言う場合にも使います。この場合も発言内容が本心ではない、冗談であることを相手のほのめかしています。また、虚勢を張るときにも使うことができます。

「震え声」の使い方

ここまで例文で見てきたように、「震え声」を文章中に単語として使うことはほとんどありません。

「(震え声)」という風に表記して文章の最後につけることで、文章に対して「自信がない・間違っている・無理だ」というニュアンスを込め、「冗談である・本心ではない」という事を相手にほのめかす使い方をします。

「(笑)」や「(泣)」のように、文章の最後につけることで、言葉では伝えきれない心情を表現しているのです。また疑問文の最後に「(震え声)」を追加することにより、「冗談ですよね?」「本気で言ってるんですか?」という意味を持たせることもできます。

「震え声」の意外な語源

ところでこの「震え声」が「(震え声)」として文章の末尾につけられるようになったのには、意外な由来があります。

実は、「震え声」の初出は、ゲイビデオの金字塔『真夏の夜の淫夢』と同じ「Babylon」シリーズの一つ、『誘惑のラビリンス』という作品だと言われています。

この作品の中で、「見たけりゃ見せてやるよ」というセリフがあり、このセリフが実際に震え声で発音され、このセリフを文章化する際に末尾に「(震え声)」と表記したのが始まりです。

このように、「真夏の夜の淫夢」及び、その派生作品から生まれたネットスラングを「淫夢語」と呼ぶことがあります。

「震え声」まとめ

メールやSNSといった文字のみのやり取りは、声色や表情が伝わらないため、誤解されトラブルに発展することがあります。「(震え声)」は、本来声色や表情でのみ伝わる情報を文字で表すことのできる、便利なツールのひとつなのです。

みなさんも、この機会にぜひ「震え声」を活用してみてください。それにしてもこの記事、とても分かりやすいですね(震え声)。

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