「サーセン」の意味とは?
「サーセン」とは、「すみません」を表す略語です。後述しますように「すみません」には主に3つの意味・用法がありますが、このうち「サーセン」は主に謝罪を表す意味で使われます。
ただし、ネット用語・俗語であるため、公式な場合での謝罪には適しません。また、目上・年上の相手に対して使うのも避けた方が無難でしょう。
さらに、謝罪目的に使われるとはいえ、言葉としては軽く「相手をおちょくるような」印象も与えかねないのも特徴です。したがって、相手が「サーセン」と言ってきても、額面通り受け取れるかどうかはケース・バイ・ケースだと言えます。
「すみません」が表す3つの意味とは?
私たちが「すみません」という言葉を発するとき、次の3つの意味のどれかの意味を表しています。
- 「謝罪」の意味
- 「感謝」の意味
- 「呼びかけ」の意味
1は「ごめんなさい」に、2は「ありがとう」に置き換えることが可能です。また、ニュアンスは異なりますが、3は「おい」「ねえ」などと同じ働きをしています。
「サーセン」の由来とは?
「サーセン」は、「すみません」→「すいやせん」→「サーセン」のように音変化した言葉だと考えられています。
これは、「ありがとうございます」→「あざます」と同様に、長いフレーズやかしこまった印象を与えるフレーズを嫌ったことによるものでしょう。
事実、「サーセン」が使われているのは、若者同士の間か、あるいはネット掲示板などでの軽いやりとりでの場がほとんどです。
「サーセン」を用いた例文
では、「サーセン」を用いた例文をいくつか見ていきましょう。
- A「何だよ、全部『釣り』かよw」B「サーセンwww」
- A「こんなに食えるはずねーだろw」B「ふひひwwwサーセンwww」
1は、自分の書き込みがすべて「釣り(=閲覧数を稼ぐための嘘・誇張)」だったことが発覚し、それに対して謝罪をしている様子を表しています。
しかしながら、「笑い」を表す「w」を多用していることからも、真剣に謝っている様子はうかがえません。むしろ、「釣り針」にひっかかった相手を笑い飛ばしているような感さえあります。
一方2でも同様に、一応形の上だけは謝罪という形をとっています。このように「サーセン」は「ふひひwww」という不気味な笑い声と一緒に用いられやすいのも特徴です。
「サーセン」を使用するときの注意点
このように、「サーセン」が本当の意味での「謝罪」を表していることは、ほとんどありません。したがって、ビジネスやシリアスなシーンでの使用は避けるべきでしょう。
逆に、相手が「申し訳ございません」の代わりに「サーセン」と言ってきたら、それは心の底から謝っているとは考えにくいと言えます。
仮に、気の置けない仲間との忘年会などの席では使っても差し支えないかもしれません。たとえば、「一発芸を披露する」→「ダダ滑り」→「サーセンw」などの流れだと使用しても問題ないはずです。
要は、半分「おふざけ」でも許される場面でだけ「サーセン」は通用すると考えていいでしょう。
「サーセン」に対する反応
以下は、実際に読売新聞に寄せられた「サーセン」に関する相談の引用(一部抜粋)です。
わたしは事務関係の総務で働いているOL(32歳)なのですが、
その新しい上司(42歳・バツイチ)にイライラしてしまいます。
着任初日から、何かと若者用語が多く、
「サーセン」
「あざっす」
「てへっ」
という言葉のオンパレードで、すぐに課長と社長に怒られていました。
何か彼がミスをするたびに「サーセン」を連発されるので、
どんどんイライラしていたのですが、
昨日、携帯電話を充電するのに、彼が自席の充電器で充電していて、そのコードに足をひっかけそうになってしまって
「申し訳ありませんが、なおしていただけませんか」とお願いしたところ、
「・・・さーせん、サーッセン、ほんま、さーせん」
を連発されて、とても嫌な気持ちになりました…。
このように、職場で何の考えも持たず「サーセン」を連発すると、上司や部下からも不興を買ってしまいがちです。このままでは、出世に響いてしまうばかりか、日々の業務にも支障をきたしてしまいかねません。
本人は若者受けを狙って、あるいは気さくな人柄のアピールを狙っての発言なのかもしれませんが、結果としては逆効果です。
また、同様に「あざーす」や「おなしゃす」も現実世界で使うのは極力避けるべきでしょう。それでもどうしても使いたいのなら、ネットの世界かプライベートで自分のことをきちんと理解してくれる相手にのみ使うのが良さそうです。