ヘリコプターペアレントとは?
ヘリコプターペアレントは、モンスターペアレントに続き、最近耳にするようになってきた言葉です。
ヘリコプター(helicopter)と、親を意味するペアレント(parent)を合わせた造語で、ヘリコプターが上空を飛び回り、ホバリングで何かを発見すると急降下して救助に駆けつけるというイメージから、子どもの近くに常につきまとって監視し、子どもに何かあればすぐに駆けつけて、必要以上の手助けする親のことを表しています。
ヘリコプターペアレントという概念が注目され始めたのは、1969年に出版されたハイム・ギノット博士の著書『親と思春期のこども(原題:Between Parent & Teenager)』からです。
ヘリコプターペアレントという言葉自体は、1990年フォスター・クライン氏の著書『愛情とロジックのペアレンティング-子供に責任を教える』の中で使われ、アメリカでその存在が広く知られるようになりました。この頃すでにアメリカでは、この親と子の関係が社会問題化していたようです。
ヘリコプターペアレントの特徴
ヘリコプターペアレントの特徴は、過保護と過干渉だと言われています。この2つは似ているようで、少し違います。それぞれの違いを見ていきましょう。
- 過保護…子供が望むことを過度にやってしまうこと
- 過干渉…子供が求めていないのに、やってしまうこと
過保護、過干渉どちらか一方でも、子どもに悪影響を与えてしまいそうですが、ヘリコプターペアレントには両方備わっているようです。
子どもが必要なこと、必要になるであろうことをやってあげたくなるのは親心ですが、過剰な親心が子どもの自立の妨げになったり、害になってしまうという点では、ヘリコプターペアレントも毒親の一種といえるでしょう。
ヘリコプターペアレントだけじゃない!毒親の例
毒親とは「毒になる親」の略語で、英語では「toxic parents」といいます。子どもにとって毒のような悪影響を及ぼす親、問題視される親を指す言葉です。
これは1989年にスーザン・フォワード氏が作った言葉で、著書の『毒になる親 一生苦しむ子供』で広く知られるようになりました。ヘリコプターペアレントのほかに以下のものがあります。
- モンスターペアレント…学校などに対して自己中心的かつ理不尽な要求をする親
- クレーマーペアレント…クレームばかり言う親
- チャイルドペアレント…大人になりきれてない子どものような親
- カーリングペアレント…カーリング競技のように子どもの進む道をならす親
ヘリコプターペアレントにならないためには
ヘリコプターペアレントにならないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?それは子どもは子ども、自分は自分と考えること、子どもの可能性を信じ、任せて思うようにやらせることではないでしょうか。
子どもは信頼して任せてもらっていると感じれば、親の想像以上の力を発揮するものです。1人の人格として尊重し、任せて、見守ってみましょう。
まとめ
ここまで読んで、もしかして私も毒親かも、ヘリコプターペアレントになっているんじゃないか?と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。
親心が少しずつエスカレートして、気づかないうちに過保護や過干渉という状態になってしまうヘリコプターペアレント。もし不安なときは、一度冷静に子どもへの接し方を客観視してみるのもいいのではないでしょうか。