「猟奇」とは
「猟奇」とは、「怪奇・異常なことに興味を持ち、あさりさがすこと」という意味です。「残忍さやスリルを求める気持ちを満足させる様」という意味もあります。「猟奇的犯罪」や「猟奇殺人」は、「残忍で異常な気持ちを満足させるための、犯罪や殺人」という意味になります。
「猟奇」がすべて犯罪と関係しているわけではありませんが、「猟奇」が犯罪に近いことは確かです。「猟奇的」な犯罪を犯す人のことを「サイコパス」と呼んだりもします。
猟奇的な事件は常人には理解できない行為が行われていて、そこにいたる考え方も理解できないことが多くあります。代表的なもので「バラバラ殺人」や「カニバリズム」などがあります。
ドラマ「猟奇的な彼女」
「猟奇的な彼女」は、キム・ホシクのネット小説です。この小説を原作とし、2001年に韓国で映画化されました。「猟奇的」な彼女と、それに振り回される男子学生の恋愛を描くロマンティック・コメディです。2006年に続編映画「もっと猟奇的な彼女」が製作されています。
日本では、それなりに話題になり2002年の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で、グランプリを受賞しています。
アメリカやインド、日本でリメイクが製作されています。日本では、草彅剛、田中麗奈が出演し、TBSで2008年に連続ドラマ化されています。
実際に起こった「猟奇的事件」
「事実は小説より奇なり」という言葉があるように、本当に実際に起こったのかと疑いたくなるような、「猟奇的事件」があります。ここでは、そんな目を背けたくなるような「猟奇的事件」を紹介します。
「切り裂きジャック」
「切り裂きジャック」は、1888年にイギリスで発生した「猟奇事件」および、その事件の犯人の通称です。世界で最も有名な未解決事件であり、物語の題材によく用いられるので聞いたことがある人が多いでしょう。
「切り裂きジャック」は、8月31日から11月9日にかけての約2か月間にわたり、ロンドンのイーストエンド・オブ・ロンドン、ホワイトチャペルで、少なくとも5人の売春婦をバラバラに切り刻み殺害しました。逮捕には至っておらず、犯人も分かっていません。
「首なし娘事件」
「首なし娘事件」は、1932年に愛知県で派生した「猟奇事件」です。男が恋愛関係にある女性を殺害し、遺体を切断した事件です。遺体の状況が常軌を逸しており、「猟奇事件」と呼ばれています。
女性の遺体は、頭部がなく胴体から乳房と下腹部がえぐり取られていました。後に発見された切断された頭部は、眼球がえぐられ、頭皮がはがされていました。
「猟奇殺人」を題材にした映画
猟奇的な犯罪や思想は、物語の題材としてよく使われます。サイコサスペンスやサイコホラーと呼ばれるジャンルは、映画のジャンルの中でも人気があるものの一つです。ここでは、「猟奇」を題材にした映画を紹介します。
「羊たちの沈黙」
「羊たちの沈黙」は、1991年に公開されたアメリカの映画です。主演は、ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスです。第64回アカデミー賞で主要5部門を受賞しました。
連続猟奇殺人事件を追う女性FBI訓練生と、彼女にアドバイスをする服役中の猟奇殺人犯、である元精神科医レクター博士の奇妙な交流を描きます。
「クリムゾンリバー」
「クリムゾンリバー」は、2000年に公開されたフランスの映画です。フランスでベストセラーになった小説を、映画化した作品です。2004年に続編の「クリムゾンリバー2 黙示録の天使たち」が製作されています。
フランスのアルプスのふもとの町ゲルノンで、猟奇殺人が発生します。遺体は、目をくりぬかれ両手を切断され、体中を切り付けられた、胎児のような恰好をしていました。この事件を追う刑事は、捜査中にゲルノンに伝わる歪んだ風習を知ることになるのです。