「パリピ」とは?
「パリピ」の成り立ち
「パリピ」とは「party people」を省略した俗語、若者言葉です。日本で「party people」という言葉が市民権を得たのは、21世紀の初め頃です。
『PARTY PEOPLE』(野宮真貴・2005年)、『I ♥ PARTY PEOPLE』(DJ OZMA・2006年)、『Party People』(スガシカオ・2009年)など、ミュージシャンがこぞって曲名に採り入れました。
2015年には、ギャル語として注目され、ギャル流行語大賞の1位の座を獲得、翌年には、その名を冠した書籍も多く出版されました。
アメリカ英語では、無声歯茎破裂音の「t」は、後続の半母音である「y」に引き寄せられると、一つの連続した音として発音されることが多いのです。つまり、「パーティ」ではなく「パーリィ」といった感じで発音されます。この「パーリィ・ピープル」を縮めて、「パリピ」となったわけですね。
「パリピ」の意味は?
「パリピ」には、肯定的な意味と否定的な意味、2つの側面があります。前者は、お祭り騒ぎが大好きな元気のいい若者たちといった意味です。これは特に10代~20代に支持されています。
否定的に語られる場合は、度を超した騒ぎ方で周りに迷惑をかけている人々というぐらいのニュアンスになります。2018年の渋谷のハロウィンイベントでは、ハメを外した参加者の一部が、軽トラックを横転させる騒ぎが起こりました。悪い意味での「パリピ」の例といえそうです。
「パリピ」を全国区にしたのは?
日本テレビ系列で放映されている、『月曜から夜更かし』という番組で注目を浴びた「イルマニア」というラッパー集団です。
「イルマニア」は、埼玉県入間市出身のラッパー四人組です。この番組へ何度か出演を果たしたことがきっかけで、若者を中心に人気を博しました。「パリピ」という言葉を浸透させるのに一役買ったと言っても過言ではありません。
「パリピ」の分類
「パリピ」の使い分けには次の二つがあります。一つはイベント系「パリピ」、そして、もう一つは自宅系「パリピ」。一般にイメージされる両者の違いをご説明しましょう。
イベント系「パリピ」って?
多くの人が集まるイベントや、賑やかな場所で遊ぶことが大好きな人たちを、まとめてイベント系「パリピ」と呼びます。先に挙げた渋谷のハロウィンイベントや、ワールドカップの際に大騒ぎする若者たちを想像してもらえれば分かりやすいでしょう。
夏は海辺でエンジョイし、バーベキューを楽しんだり、冬はクリスマスやカウントダウン関連のイベントに足を運ぶ。イベント系「パリピ」には、ノリがよく社交的で、ポジティブな印象があります。
自宅系「パリピ」って?
一方、気心の知れた仲間内だけで、自宅などで騒ぐ人たちのことを総称して自宅系「パリピ」と呼びます。
最近は、インスタに写真を投稿するのが流行っており、自宅でオシャレなパーティを開く若者たちの姿が目立っています。これなら周りの人々に迷惑をかけることも少なく、10代でも気軽に行うことができますね。
「パリピ」の使い方は?
「パリピ」は、若者たちの間でさまざまな使い方をされています。名詞としてだけではなく、下記のように、形容詞や動詞としても活用されているのです。
- 甥がパリピに憧れていると聞かされて驚いた。
- 身長は高いけれどパリピっぽい感じの性格が苦手だな。
- クリスマスが近づいているしパリピしたいよね。