「千里の道も一歩から」とは?意味や使い方をご紹介

「里」は中国から伝来し、日本でも長く使われてきた距離の単位です。皆さんは「千里」が何キロメートルかご存じでしょうか。一里がおよそ四キロメートル、千里は約四千キロメートルです。ここでは「千里の道も一歩から」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「千里の道も一歩から」の意味
  2. 「千里の道も一歩から」の使い方
  3. 「千里の道も一歩から」の出典と変遷
  4. 「千里の道も一歩から」の類語
  5. 「千里の道も一歩から」の英語表現

「千里の道も一歩から」の意味

千里の道のりを歩くのも、まず足もとの一歩を踏み出すことから始まる、という意味です。物事はすべて一足とびにできるものではなく、はじめから着実に行っていかなければならないものだ、という例えです。

「千里の道も一歩から」の使い方

  • いつかキリマンジャロに登りたいと思っているが、千里の道も一歩からというから、毎日ジョギングして筋力アップにつとめている。
  • 通信制大学での資格取得を目指している。長年勉強から離れていたし、送られてきたテキストの数の多さと厚さにくじけそうになったが、千里の道も一歩からだ。勇気をもって一ページ目を開こう。
  • ミニマリストにあこがれてるんでしょ?千里の道も一歩からなんだから、まずは机の上の整理から始めなさい。

どんなに大きな仕事や計画も、身近なところからはじまり、それが積もり積もって成し遂げられるのだから、まず着手すること、第一歩を踏み出すことが大切だ、という事ですね。最後の一文のように、とにかくやってみなさい、と行動を促す場合にも使われます。

「千里の道も一歩から」の出典と変遷

「千里の道は一歩から」は様々な異表現があるのですが、もともと中国の古典を出典とし、日本でも鎌倉時代の文献から確認できる古いことわざです。では、実際どのような形で表現されてきたのか見てみましょう。

中国の文献

儒家と並んで中国思想を支配した道家の祖である老子の書『老子』64章に以下のような一節があります。
 

合抱(ごうほう)の木も毫末(ごうまつ)より生じ、九層の台(うてな)も塁土(るいど)より起こり、千里の行も足元よりはじまる
 
一抱えもあるような大きな木も毛の先ほどの芽生えから生まれたものであり、九階にも及ぶ高台も積み重ねた土から起こされたものであり、遠い道も一歩一歩の足もとから始まるのである

「千里の道も一歩から」ではなく「千里の行も足元から始まる」という異表現ではありますが、非常に古い時代から使われてきたという事がわかります。古くは、後ろの二句(九層の台も塁土より起こり、千里の行も足元より始まる)が対で用いられていたようですが、ことわざとしては末尾の一句(千里の行も足元より始まる)のみで定着していきました。

日本の文献

日本でも古くは鎌倉時代の金言集『玉函秘抄(ぎょっかんひしょう)』に「千里の行(こう)も足下(そっか)から始まる」という表現が収載されています。また同じく鎌倉時代の『曾我物語』の四では、「千里の行は一歩から始まる」という異表現が収載されており、江戸時代より前の時代には「道」ではなく「行」という言いまわしが一般的だったようです。

他にも、室町時代の『ささめごと』では「千里は足下より始まる」、江戸後期の『西薇(せいび)事情』では「千里の旅も一歩より」など言い回しは様々であり、「千里」以外にも「万里」や「百里」となっている表現も少数ですがあったと言われています。

「千里の道も一歩から」の類語

  • 高きに登るは低きよりす
  • 遠きに行くには必ず近きよりす

距離だけでなく、高さも例えとして使われていますね。

「千里の道も一歩から」の英語表現

  • Little by little one goes far. : 少しずつ歩いては人は遠くへ行く。
  • By one and one spindles are made. : 紡錘(=糸を紡ぐ道具)は一つずつ作られる。
  • Many drops makes a shower.  :  多くの水滴が夕立となる。
  • He who would climb the ladder must begin at the bottom. : はしごを上ろうとする者は一段目から始めなければならない。
  • By link and link the coat of mail is made at last. : 一輪一輪と作るうちに鎖帷子はついにできあがる。

小さい事から少しずつ完成に近づいていく様子はどれも「千里の道は一歩から」と同じですね。


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