「早起きは三文の徳」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

世の中に「早起きが得意」という方は少数派かもしれませんが、日本では昔から「早起きは三文の徳」ということわざがある通り、朝早く起きることが奨励されているようです。今回はこの「早起きは三文の徳」ということわざの意味や由来などをご紹介します。

目次

  1. 「早起きは三文の徳」の意味
  2. 「早起きは三文の徳」の由来
  3. 「早起きは三文の徳」の例文
  4. 「早起きは三文の徳」の英語表現
  5. 「早起きは三文の徳」のまとめ

「早起きは三文の徳」の意味

「早起きは三文の徳」ということわざは、「朝早く起きると、何らかの利益がある」という意味です。「三文」とは、江戸時代の一文銭三枚のことですが、このことわざの場合は金額の三文を示すというより「ごくわずかな」という一般用語だと考えられます。「三文」という言葉は「極めて安いこと」の比喩でもあり、例えば「三文小説」(安っぽい小説)、「三文判」(安物の印鑑)といった言葉があります。

またこのことわざの「徳」とは、「利益・もうけ」といった意味を示しています。用例としては「お徳用」などの言葉があります。「損得」の「得」という字を用いることもありますが、「徳」をあてはめることが一般的です。なお「朝起きは三文の徳」といった言い方をされることもあります。このことわざは「きょう早起きするとよいことがある」という趣旨ではなく、常日頃からの、「早寝早起き」といった規則的な生活習慣を勧めるものとされています。

「早起きは三文の徳」の由来

中国の古典から派生

「早起きは三文の徳」ということわざの大本は、中国の古い散文だとされています。これは「早起三朝當一工」という中国の農家に伝わることわざで、「三日間続けて朝早く起きれば、一人分の仕事に匹敵する」といった意味を示します。日が上る前から起き出して働くことを奨励する一文で、これが転じて日本では「早起きは三文の徳」になったとされます。

「三文」は「奈良の鹿」が由来?

「早起きは三文の徳」は、この中国の散文がベースになった上に、日本オリジナルのエピソードも加味されたといわれています。その一つが「奈良の鹿」にまつわるものです。有名な観光名所でもある奈良市の鹿は、古くから「神の使い」とされ、大切に守られてきました。江戸時代には幕府が手厚く保護し、殺生などを取り締まったといいます。

奈良の鹿に危害を加えると奉行所で裁かれ、罰金などの重い処罰を受けるため、近隣の庶民は毎朝早く起きて、家の軒先などに鹿の死骸がないかを確かめたそうです。古典落語「鹿政談」でも語られているこうした逸話が、ことわざの元になったといわれます。

「土佐藩の堤普請」説も

このほか、「土佐藩の堤普請」が下敷きになったとの説もあります。これは江戸時代、現在の高知県である土佐藩が治水対策として藩内に堤防を築く際に、土を早く固めようと「朝早く起きて堤を踏み固めた者には、褒美として三文の金子を与える」との触れを出したことが、由来になったとするものです。

「早起きは三文の徳」の例文

  • 朝太陽の光を浴びると、科学的にも健康によいそうだ。「早起きは三文の徳」というし、明日から早起きしてみようかな。
  • けさたまたま30分早く目が覚めて、早めに出勤したら、会社に着いた後に電車が事故で運休になった。「早起きは三文の徳」ってやつだろうか。
  • 「早起きは三文の徳」とは言うが、人はそれぞれ仕事や生活スタイルが違うし、適した活動時間も異なるもの。一概に早く起きればいいというものでもあるまい。

「早起きは三文の徳」の英語表現

  • The early bird catches the worm. (早起きの鳥は虫をつかまえる)
  • Early to bed and early to rise makes a man healthy, wealthy, and wise. (早寝早起きは、健康、富、賢さの元)
  • The cow that's first up, gets the first of the dew. (最初に起きる牛は、最初の朝露を口にする)

「早起きは三文の徳」のまとめ

ちなみに江戸時代の三文という金額の価値は、現代に直すと「100円」ほどの感覚に当たるといわれます。パンやおにぎり一個分と考えれば、毎朝の「徳」としては、現代社会でも決して無視できない金額といえるかもしれません。すっかり「深夜型」が増えた今の私たちの暮らしですが、お金には換えられない〝徳〟である健康のためにも、「朝型生活」にトライしてみてはいかがでしょうか。

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