「終わりよければすべてよし」の意味
「終わりよければすべてよし」は、ことわざや格言に分類される、「結果がよければ、物事のきっかけや途中の経過などは問題にならず、全てが良いことになる」という意味の言葉です。
「終わりよければすべてよし」の使い方
「終わりよければすべてよし」は、意味としては「結果が全て」ですが、人生の機微を表す場面でよく使われる言葉です。
「色々あったけれど、めでたしめでたし。」や「失敗もあったけど最終的にはよかった。」「失敗は考えない。」というニュアンスが含まれます。結果を出すには何をしてもいいという意味で使うと間違いになりますので、ご注意ください。
「終わりよければすべてよし」の例文
- 彼は元々映画監督を目指していて、コンビニ店員は生活費のために始めた仕事だった。そこで今の妻と出会い結婚した。夢は挫折に終わったが、今は子供も生まれ、幸せに暮らしている。終わりよければ全てよし。
- 苦渋の選択をした結果、成功したが、失ったものは大きかった。終わりよければ全てよしと割り切るしかない。
- 失敗続きだったが、こうして作品が無事出来上がって、つらさも吹き飛んだ。終わりよければ全てよしとはこのことだね。
- 様々な悲しみや苦難があったが、人生の終わりに近づいて振り返ってみるに、それがあって今の幸せがある。終わりよければ全てよしと言いたい。
「終わりよければすべてよし」の類語
物語や人生の締めくくり
- 大団円
- ハッピーエンド
- めでたしめでたし
終わりが大事で始めや途中経過は問わない
- 仕上げが肝心
- 細工は流々(りゅうりゅう)仕上げを御覧(ごろう)じろ
始めも終わりも大事
- 始め良ければ終わり良し
- 有終完美・有終の美
「終わりよければすべてよし」の語源
語源は、イングランドの劇作家、ウィリアム・シェークスピアの戯曲、『終わりよければすべてよし』です。題名の方は有名ですが、劇の方は人気がなく、シェークスピアの中でも上演回数が少ない作品のひとつとなっています。
「終わりよければすべてよし」は前向きなイメージのあることわざですが、語源の戯曲は問題をはらんだ内容です。
その粗筋は、美しくも貧しい女性、ヘレナが貴族の男性バートラムに恋をし、彼と結婚するために試行錯誤した結果、結婚と彼のハートをつかむというもの。身分違いの恋を扱った作品ですが、ヘレナの「試行錯誤」は愛のためとはいえ問題のある方法で、ある種の男性の首ねっこをキュッとつかむような筋立てとなっています。
喜劇でハッピーエンドの体裁を取っていますが、内実は喜劇でもハッピーエンドでもありません。『終わりよければすべてよし』の題名は、皮肉ともとれるお話です。もし、この戯曲の題名を内容に沿った形にするならば、「結果よければ手段は問わない」になるでしょう。
また「終わりよければすべてよし」はシェークスピアが作った言葉ではなく、もともと英語のことわざとしてあったものを題名にしたという説があります。シェークスピアはそのことわざに、作家らしくひねりを入れて戯曲にしたのかもしれませんね。
「終わりよければすべてよし」の英語表現
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All's well that ends wel.
- All that ends well is well.