「ミイラ取りがミイラになる」とは?意味や使い方を語源を含めてご紹介

「ミイラ取りがミイラになる」ということわざを聞いたことがありますか?聞いたことはあっても、意味はわからない方もいるのではないでしょうか。今回は、「ミイラ取りがミイラになる」の言葉の意味や使い方をご紹介します。語源や類義語、英語での表現も解説します。

目次

  1. 「ミイラ」とは
  2. 「ミイラ取りがミイラになる」の語源
  3. 「ミイラ取りがミイラになる」の意味
  4. 「ミイラ取りがミイラになる」の使い方
  5. 「ミイラ取りがミイラになる」に類義語はある?
  6. 英語では何という?
  7. 「ミイラ取りがミイラになる」のまとめ

「ミイラ」とは

「ミイラ」と聞くと、乾燥されて原型をとどめた状態の死体をイメージしますよね。実は「ミイラ」というのはポルトガル語の「ミルラ」という言葉が訛ったものという説があります。
 

「ミルラ」は「没薬(もつやく)」という植物のことで、古くから香として用いられたり、鎮静薬・鎮痛薬として用いられていました。現在もアロマオイルで利用されています。

古代エジプトではこのミルラを、ミイラを作る際に防腐剤として用いられていました。
この「ミルラ」という単語が長い時間とともに訛って「ミイラ」と言われるようになり、ひいては私たちがイメージする乾燥した死体をミイラと呼ぶようになったといわれています。

「ミイラ取りがミイラになる」の語源

古代エジプトでは、このミルラ(植物)を探しに多くの人が出かけていきました。しかし当時はミルラ取りには危険が伴ったようです。目的を果たせず砂漠で倒れ、ついには自分がミイラになってしまったことが、このことわざの語源とされています。

「ミイラ取りがミイラになる」の意味

上記のことから、「ミイラ取りがミイラになる」ということわざは「人を連れ戻しに出かけていった人が、そのまま先方にとどまって帰ってこなくなる」「相手を説得するはずが、逆に相手に説得されてしまう」という意味になります。

「ミイラ取りがミイラになる」の使い方

「ミイラ取りがミイラになる」という言葉は以下のように使います。

 

  • 「迷子を捜しに行ったのに、あなたも迷子になるなんて。ミイラ取りがミイラじゃない。」
  • 「パチンコを止めるように説得しに行ったのに、連れて行かれてやってみたら自分もはまってしまった。ミイラ取りがミイラだね。」
  • 「糖尿病の怖さをあんなに語っていた医者が、糖尿病になったそうだよ。ミイラ取りがミイラだ。」
 

どちらかというと自虐的だったり、ネガティブなイメージで使われることが多い言葉ではないでしょうか。

「ミイラ取りがミイラになる」に類義語はある?

「ミイラ取りがミイラになる」の類義語と言われても、なかなか思いつきませんよね。類義語には次のようなものがありました。

木菟引きが木菟に引かれる

「木菟」は「ずく」と読みます。このことわざは「ずくひきが、ずくにひかれる」と読みます。「木菟」というのははミミズクのことです。


夜行性のミミズクが昼間に木にとまっていると、野鳥がミミズクをからかいにやってきます。そこで隠れて待ち伏せしていた猟師が野鳥を捕まえてしまうという成り立ちのことわざです。「相手をやっつけようとして反対に相手の術中にはまってしまう」という意味のことわざになります。

人捕る亀は人に捕られる

こちらは、人を食べようとした亀が、かえって人に捕まってしまうという出来事から生まれたことわざです。転じて「人を害しようとすれば、かえって自分が人から害される」という意味になります。
 

このように類義語もいくつかありますが、なかなか馴染みがないものが多い気がします。「ミイラ取りがミイラになる」が、一般的に使われる頻度は多いようですね。

英語では何という?

英語で「ミイラ取りがミイラになる」を直訳しても、英語圏の人には通じません。英語での同じ意味のことわざは次のようなものがあります。

Many go out for wool and come home shorn.

直訳すると「羊の毛を刈りに入って、刈られて帰ってくるものが多い」という意味です。「ミイラ取りがミイラになる」と近い成り立ちを感じますね。

The biter is bit.

「かみつくものは噛みつかれる」という意味になります。こちらは「人捕る亀は人に取られる」と成り立ちが似た印象を受けます。

世界広しといえども、同じような出来事が各地で起こっているということなのかもしれませんね。

「ミイラ取りがミイラになる」のまとめ

「ミイラ取りがミイラになる」ということわざは、「人を連れ戻しに出かけていった人が、そのまま先方にとどまって帰ってこなくなる」や「相手を説得するはずが、逆に相手に説得されてしまう」という意味でした。

どちらかというとネガティブな印象で使われる言葉ですから、できるだけ使わないように日々の過ごしたいものですね。

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