「勿忘草(忘れな草)」の花言葉とは?意味や使い方をご紹介

勿忘草(わすれなぐさ)は、「私を忘れないで」という花言葉で有名な一年草です。4月~6月ごろの涼しい季節に青紫の小さい花をたくさん咲かせる西洋原産のこの花は、古くから世界各地で詩や物語の題材として愛されてきました。今回は「勿忘草」の花言葉や逸話をご紹介します。

目次

  1. 「勿忘草」とは?
  2. 「勿忘草」の花言葉
  3. 「勿忘草」の逸話
  4. 「勿忘草」と間違えやすい花
  5. 「勿忘草」をシンボルに掲げる秘密結社?

「勿忘草」とは?

まずは植物としての「勿忘草」の特徴をご紹介します。

ワスレナグサ(勿忘草、忘れな草とも)は、ムラサキ科ワスレナグサ属の草花です。国によっては多年草として扱われることもあるようですが、日本の気候においては一年草として扱われています。ワスレナグサにも様々な種類がありますが、現代日本において一般に園芸用として流通しているものは、「ノハラワスレナグサ」や「エゾムラサキ」といった種類、またそれらの交配種であることが多いようです。

春の季語のひとつに数えられる通り、4月ごろから6月ごろの涼しく湿度の低い季節に開花する植物です。栽培する場合では、秋に種をまくのが一般的でしょう。

花は1センチ前後と非常に小さく、代表的な色は青~紫色、花びらは5弁で、白・黄色の花冠を持つものが密集して開花します。また、一部園芸種では白・ピンクなどもあるようです。全体の高さは大きいもので50センチほど。葉や茎に軟毛があり細長いことから、ギリシャ語で「二十日鼠の耳」を表す「Myosotis」という属名を持ちます。

また、ワスレナグサは花としては温度・湿度の高さに弱いのですが、繁殖力は強い植物で、こぼれ種から次々と増える植物です。このことが名前の由来となった逸話にも関係しますので、併せて覚えておきましょう。

「勿忘草」の花言葉

勿忘草の代表的な花言葉は「私を忘れないで」。ほか「真の友情」「真の愛」といった、人との絆を表す花言葉を持ち、欧米においては特に「友情のシンボル」とされています。

英語圏においては一般的に「forget me not」という名で呼ばれ、この訳「私を忘れないで」がそのまま花言葉となっています。また、和名「わすれなぐさ」も同様にこの訳から名付けられたとされています。

「勿忘草」の逸話

和名「勿忘草」の由来は英名「forget me not」(訳:私を忘れないで)であり、更にこの「forget me not」という英名の由来は、中世ドイツのある有名な伝説にあるとされています。

ドナウ川の伝説

舞台は中世ドイツ、ドナウ川のほとり。騎士ルドルフは恋人ベルタと共に川辺を歩いていました。ふと川を見ると、小さく可憐な青い花が咲いています。ルドルフはその美しい花をベルタに捧げるべく、花を摘むためひとり川へと下りたそうです。

しかし花に手を伸ばしたその時、運悪く川の流れがふいに強くなり、ルドルフは川に飲み込まれてしまいます。間際、ルドルフは力を振り絞って花を摘み、川辺のベルタに投げて叫びました。「どうか僕のことを忘れないで!」

ベルタは悲しみに暮れながらその花を拾い、花にルドルフの遺言となった「forget me not(忘れないで)」という名前を与え、ルドルフの墓に供えました。すると、こぼれ種からやがて周囲に花が満ちるようになったそうです。

何とも切ない物語ですね。この伝説が広まり、今では世界各地で「真の愛・友情」のシンボルとして愛されるようになったというわけです。

「勿忘草」と間違えやすい花

ワスレナグサと特に混同されやすい花として、同じムラサキ科の「キュウリグサ」が挙げられます。花や葉の色形は非常に酷似していますが、ワスレナグサとキュウリグサの大きな違いは花の大きさです。ワスレナグサの花は直径が約1センチほどですが、キュウリグサの花はそれよりも更に小さく、およそ6ミリ前後です。

また、キュウリグサは葉をこするとキュウリのにおいが立つことから名付けられています。野生のものを見かけた場合は、花の大きさと葉をこすった時のにおいで判別しましょう。

「勿忘草」をシンボルに掲げる秘密結社?

「フリーメイソン」という秘密結社をご存知でしょうか?ここでは詳細な説明は省きますが、世界の最もミステリアスな秘密組織のひとつとして、日本では都市伝説のように語り継がれている組織です。この組織のシンボルといえば、神の全能の目・三位一体を表したとされる「プロヴィデンスの目」と呼ばれるマークや、定規とコンパスで「G」の文字を挟んだマークなどが有名ですが、その他に、「5枚の花弁を持つ、小さく青い花」のマークが存在します。この小さく青い花こそが「勿忘草」。

これは、大戦時の陰謀論により一時解散を余儀なくされたとある国のフリーメイソンが、たとえ圧力により散り散りとなったとしても、フリーメイソンの一員として理念を守り続ける意思として、「forget me not」をシンボルとして抱くようになったのだ、という説があります。

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