「サドンデス」とは?意味や使い方をご紹介

「サドンデス」といえば、スポーツの劇的な幕切れを思い起こす方が多いのではないでしょうか。しかし「デス(死)」とつくと、何か怖い印象を持つかもしれません。また、競技によっても少しずつ方式が変わります。では、「サドンデス」の意味や使い方を詳しく解説していきます。

目次

  1. 「サドンデス」とは
  2. ルール上の「サドンデス」
  3. 「サドンデス」の今後は?
  4. スポーツから離れた「サドンデス」
  5. 劇的な「サドンデス」のシーンは?

「サドンデス」とは

急死・突然の死を意味する英語の「sudden death」からきた外来語です。以前はサドンとデスの間に「・」を入れていたようですが、現在ではそのまま続けて「サドンデス」とひとつの言葉のようにして使うのが主流です。意味は二通りあります。
 

  1. スポーツやゲームなどで、どちらかがリードした瞬間にゲームが終わるというルール
  2. 実際に人間の死の瞬間が突然訪れること


どちらの意味でも使用が可能ですが、後者の場合は漢字で「突然死」と表現することが多いので、「サドンデス」と言う場合はほぼ前者を指すと考えてよいでしょう。TVのクイズ番組で耳にすることもあります。「最後まで決着がつかず、サドンデスに突入した」などと使います。

ちなみに英語の「sudden death」には上記の意味のほかに、サイコロやコインを一回だけ投げて勝敗を決める、という意味もあります。

ルール上の「サドンデス」

スポーツ競技ではルール上、引き分けで終われない場合や1チームのみが勝ち上がる場合、何らかの方法で勝敗を決めなくてはなりません。しかし、延長戦を行っても、双方相譲らずといったケースがあります。そこで考えられた仕組みが「サドンデス」方式です。では、競技別に「サドンデス」を解説していきます。

サッカー

前後半合わせて90分間(大人の場合)のプレー+アディショナルタイムで決着がつかなかった場合、前後半15分ずつの延長戦を行います。それでもまだ決着がつかなかった場合は、両チーム6人ずつのPK(ペナルティキック)戦を行います。さらに決着がつかなかった場合に、サドンデス方式のPK戦を行います。一人ずつPKを蹴り、差がついた時点で勝敗が決まります。

アメリカンフットボール

第4クオーターまで終了してもゲームに決着がつかない場合、オーバータイム(延長戦)に入ります。両チームに少なくとも一回の攻撃権が与えられますが、ともに同点もしくは無得点の場合、サドンデスへと入ります。いずれかに得点が入った段階で勝敗が決まります。

ゴルフ

規定のホール数を消化しても優勝者が決まらなかった場合、首位の選手のみでプレーオフを行います。1ホールごとの勝負で優勝者を決めるサドンデス方式がとられ、そのホールが引き分けの場合には次のホールへと持ち越されます。

ラグビー

前後半合わせて80分で決着がつかなかった場合、前後半10分ずつの延長戦を行います。それでも差がつかなかった場合には、サドンデス方式の追加延長戦に入ります。

アイスホッケー

第3ピリオドまで終了して決着がつかなかった場合、プレーする人数を減らしてサドンデス方式のオーバータイム(延長戦)を行います。双方とも無得点だった場合は、両チーム3人ずつのシュートアウト(サッカーで言うPK戦)を行い、得点を競います。さらに同点だった場合には、再びサドンデス方式のシュートアウトとなります。

「サドンデス」の今後は?

いかに比喩とはいえ、突然の死を意味する言葉では、やはり印象がよくありません。スポーツ界では別の言葉への言い換えを試みてきました。サッカーでは現在「(延長)Vゴール」「ゴールデンゴール」と言います。野球で導入され始めた「タイブレーク」方式も、ある種の「サドンデス」ですが、公式に「サドンデス」と呼ばれることはありません。今後さらに違った名称が使われることになるかもしれません。

スポーツから離れた「サドンデス」

スポーツの世界だけではなく、様々なところでサドンデスに出会うことがあります。いくつか紹介します。

サドンデスソース

米ガードナー・リソーシーズ社のdeath sauceと呼ばれる激辛ソースのひとつに「Blair's Sudden Death Sauce with jolokia」というのがあります。ドクロのキーホルダーが目印のこのソースは、日本でも購入が可能です。

サドンデスチャレンジ

オンラインゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」では、いきなりサドンデスモードに突入する「サドンデスチャレンジ」が選択でき、緊張感の中でゲームを楽しむことができます。

劇的な「サドンデス」のシーンは?

「サドンデス」方式は、拮抗したゲームの中で迎える衝撃のラストを演出してきました。スポーツ界の歴史に残る幕切れを2例紹介します。

女子ゴルフ・日本女子プロ選手権(2013年)

-11で首位に並んだイ・ボミ(韓国)選手と比嘉真美子選手が、雨の中、息詰まるプレーオフで優勝を争いました。6ホールにまで及んだ激闘となりましたが、重圧に耐えて再三のピンチをしのいだイ選手が勝利をつかみました。

高校サッカー・全国高校サッカー選手権福岡県大会(2010年)

東福岡高校と九州国際大学付属高校で争われた決勝戦は、1−1のままPK戦にもつれこみました。しかし、サドンデス突入後もなかなか決着がつかず、22人目でようやく勝敗が決しました(九国大付が優勝)。のべ44人がひたすらゴールに向かってPKを蹴り続けたという歴史的な激戦は、PK戦だけで30分以上を要したそうです。

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