「出る杭は打たれる」とは?意味や使い方をご紹介

「出る杭は打たれる」ということわざがあります。日本では控えめであることが美徳とされ、みんな一緒にという精神があるため、大勢の中にいても目立ってしまう人にとっては大変なことも多いようです。ここでは、「出る杭は打たれる」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「出る杭は打たれる」とは?
  2. 「出る杭は打たれる」の使い方
  3. 出過ぎた杭は打たれない?
  4. 日本文化と「出る杭」
  5. 個性を伸ばす取り組み

「出る杭は打たれる」とは?

「出る杭は打たれる」とは、秀でた才能の持ち主は周囲から疎(うと)まれがちだという風潮を表したことわざです。

とかくこの世のなか、優れた人や注目を浴びる人ほど、周囲の妬みなどを受けて足を引っ張られるものです。そういう人物をひときわ飛びだした杭に例えたのが「出る杭は打たれる」です。

なお、「出る杭は打たれる」にはもうひとつ、「出しゃばりすぎると批判される」という似て非なる意味もあります。こちらでは「出る杭」が悪い意味の例えになっているわけですが、今回は一般的な用法である前者の使われ方についてお話しします。

「出る杭は打たれる」の使い方

たとえば、クラスで人気者のA君がいます。男女問わず評判がいいのですが、なかには嫉妬する人たちもいます。A君の人気が面白くない彼らは、故意に彼の評判を落とすような行為に出るかもしれません。A君は、彼の存在が妬ましい人たちにとっての「出る杭」なのです。

先ほど「秀でた才能の持ち主」といいましたが、才能といってもさまざまです。図抜けて仕事のできる人もそうですし、何らかの技術を持ち、世間から高い評価を受けている人もそうでしょう。上記のA君のように人気者であるというのも、人を魅了する才能と捉えることができるでしょう。

要するに、たとえ人より秀でていても、目立たない存在であれば「出る杭」として打たれることは少ないのです。賞賛されるべき正当な理由があってよく目立つ人が、ある人々にとっては疎み、打ちつける対象になるといってよいでしょう。

出過ぎた杭は打たれない?

一方「出る杭は打たれる」けれど「出過ぎた杭は打たれない」という人もいます。人の背丈を超えた杭は、打とうにも届かないので手が出せません。これと同じように、才能が突出してしまえば、周囲は叩くことさえ諦めるだろうという理屈です。

例えば、人気のある芸能人は、その人気に比例して、批判する人も多いものです。風評被害で人気が落ちたり、ネットで叩かれてヘコんでしまう人もたくさんいるでしょうが、さらにポジションを上げてしまえば、場合によってはそんなアンチの声などどこ吹く風となりうるかもしれません。

また、凄腕の職人さんなら、同業者のやっかみに負けず、みずから起業してさらなる成功を収めるかもしれません。

誹謗中傷にもくじけず、ひたすら自分を信じていっそうの高みを目指すこと。「出すぎた杭は打たれない」とは、そんな人に対するメッセージのように受け取ることもできそうです。

日本文化と「出る杭」

一般的に、日本文化には、自己主張を控え、周囲に合わせることが美徳とされる面があります。

  • 「滅私奉公」
  • 「思いやり」
  • 「利他主義」
  • 「自己犠牲」
  • 「ひとりはみんなのために」

など、日本には他者を気遣う言葉がたくさんあります。おかげで規律ある社会が築かれているわけですから、これはたいへんな長所です。

ただし、いい意味で抜きん出た存在を、「出る杭は打つ」として埋没させようとするなら、それはそれで問題なるかもしれませんね。

個性を伸ばす取り組み

時代も移り変わり、和を美徳とする日本も少しずつ変化しています。周囲への配慮を大切にする一方で、個性を伸ばす取り組みにも力が入れられているようです。「出る杭」となることを恐れずに、才能を伸ばすことのできる社会少しずつ変わっているのかもしれません。

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