「ギミック」とは?
「ギミック」とは、「仕掛け、からくり、機構、マジシャンのたね、工夫、トリック、新奇な要素」といった意味の言葉です。
英語の「gimmick」(mが2つ並ぶ点に注意)に由来し、細大漏らさず用法が合致する日本語の単語を探すのが少々難しいためか、カタカナ語として「ギミック」という言葉が使われています。
わかりやすい例では、からくり人形などを動かす物理的・機械的機構が「ギミック」です。さらに、どこがどう動いてどういう効果を生むのかという驚くべき工夫や目論見なども、広く「ギミック」という言葉で表現できます。
「ギミック」の使い方
「ギミック」という言葉は、さまざまな分野・ジャンルにわたって使われる傾向があります。ここでは、いくつかの観点・シーンごとに使い方を見ていきましょう。
物理的なギミック
子ども向けのおもちゃや、工業製品などの、可動・変形・変化する仕掛けのことを「ギミック」と言います。「机の引き出し」のような基本的機能ではなく、どちらかと言えば、なるほどと感心するような新奇な仕掛けについて使われる傾向があります。
また、テレビゲームなどでも「キャラクターが接触すると、何らかの反応が起こる仕掛け」のことを広くギミックと呼びます。特にアクションゲームなどは、その性質上ギミックの宝庫といえるかもしれません。
【例文】
- この怪獣の玩具は、スイッチを押すと咆哮を上げて口から白い煙が噴き出る凝ったギミックがある。
- 「飛び出す絵本」のギミックが知りたい。素人でもがんばれば作れるのだろうか?
- ゲームを遊んでいて、ワイヤーを伸ばし、空中ブランコを駆使して進むギミックに感心した。
広告・マーケティングなどのギミック
広告・マーケティングなどの分野で、ビジネス用語的に「ギミック」という言葉が使われることがあります。
この場合の「ギミック」も、何らかの「仕掛け」には違いありませんが、商品開発や販売促進などに際して人を驚かせるような「戦略」や「新奇性」の意味合いを含むことが多いようです。
【例文】
- 錯視を駆使したギミック広告が、かえって見にくいと不評を呼んだ。
- あえて「高級で手が届かない」というギミックの効いた宣伝戦略を展開する。
創作におけるギミック
例えば映画などで、今までになかった視覚効果や音響などで観客を驚かせたり、特殊なメッセージを届ける「仕掛け」のことを「ギミック」と呼ぶことがあります。
音楽や小説などの分野でも使用され、演奏・脚本・構成などに仕掛けられるさまざまな工夫や、驚くべき手法のこと全般を指します。
【例文】
- CG(コンピュータ・グラフィックス)がなかったころは、非現実的な映像を撮影するためにさまざまなギミックが使われたものだ。
- この映画では、悲しい場面で陽気な曲が、楽しい場面で陰気な曲が流れるギミックで、主人公の理性が正常でないことを表現している。
- あのストーリーのギミックには驚かされたよ。ただの人間だと思っていた男が実は死人だったなんて。
「ギミック」の類語
「ギミック」の類語として、その「構造」そのものに注目するのであれば、「メカニズム」「造り」「仕掛け」「機械仕掛け」などが該当するでしょう。
もし「構造」を作り出す「策」や「計画」に注目するのであれば、「たくらみ」「悪だくみ」「細工」「小細工」「工夫」「トリック」「術数」「策略」「計略」「計算」「作戦」、さらに場合によっては「罠」なども類語として使用可能です。
「ギミック」では意味が通じにくいと思われたら、これらの単語で言い換えてみることも時には必要かもしれません。