「一長一短」とは?意味や使い方をご紹介

「一長一短」という言葉は、日常でもよく使われる言葉ですね。耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。ですが、自分で使うとなると、どんな時に使っていいのか迷うことがありませんか。この記事では、「一長一短」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「一長一短」とは?
  2. 「一長一短」使い方
  3. 「一長一短」由来
  4. 「一長一短」英語での表現
  5. 「一長一短」と同じような四字熟語

「一長一短」とは?

「一長一短(いっちょういったん)」とは、人や物事において、良いところがある一方で悪いところもあって不完全であることを言います。「一短一長(いったんいっちょう)」と表記されることもあります。

「一長一短」といった表記において、「一」は、「ある面」ということを表し、「一」の後ろに性質や性格を表す文字が来て、「ある面は○○であり、ある面は△△である」という意味になります。同様の使い方がほかにもありますので、のちに紹介します。

「長」は長所、すなわち良いところ、「短」は短所、すなわち悪いところです。ここから、「一長一短」は、「ある面は長所であり、ある面は短所である」となり、上記のような意味を表します。

「一長一短」使い方

  • 夏物の新しいワンピースを買おうと思ったけれど、好きなデザインのものは素材が今一つで着心地が悪そうで、涼しい着心地の素材のものは膝丈が好みじゃないの。どちらを選んでも、一長一短ね。
  • 父が入院することになり、医師から治療方法について説明を受けたが、どの治療方法も一長一短だった。
  • Aさんは仕事が早いがミスも多く、Bさんはていねいな仕事ぶりだが時間がかかる。どちらにしても一長一短というところだ。

「一長一短」由来

「一長一短」の由来は、中国後漢時代の思想家、王充(おうじゅう)の『論衡(ろんこう)』と言われています。この書には、竜の特徴が「一長一短」であると記されています。

『論衡』でいう「一長一短」は、「(竜の特徴は)あるときは長く、あるときは短い」という意味で使われていました。ですが、『論衡』以外では、同じ意味で「一長一短」という言葉が使われる例は少なかったようです。

そのため、「一長一短」は、現在では「良い所もあれば悪い所もある」という使い方をされることが一般的になりました。

「一長一短」英語での表現

「一長一短」を英語で表すと、次のようになります。

  • advantages and disadvantages 
  • good points and shortcomings
  • merits and demerits

【例文】
Each of their opinions has its merits and demerits.(彼らの意見には、どの意見にも一長一短がある。)

「一長一短」と同じような四字熟語

一利一害

「一利一害(いちりいちがい)」は、利益もあるが害もある、良いこともあれば悪いこともあるという意味です。

【例文】
この感染症にはとてもよく効く薬があるが、一定の確率で皮膚に強いかゆみが出る可能性がある。一利一害だが、今はとにかく熱を下げることを優先して、その薬を使うことにしよう。

一得一失

「一得一失(いっとくいっしつ)」は、得るものもあるが、失うものもあるという意味です。また、物事には良い面と悪い面が同時にあるという意味でも使われます。

【例文】
テレワークが進んだことで、通勤にかかる時間や苦労は少なくなった。一方で、家事や子育ての時間との境界があいまいになった。一得一失ということだろうか。

「一朝一夕」

「一朝一夕(いっちょういっせき)」は、「一長一短」と聞いた感じが似ている言葉ですが、その意味は「一つの朝と一つの夕」、つまり「少しの時間」ということです。その由来は、儒教の経典『易経(えききょう)』にあります。

『易経』の言葉を簡単に言うと、物事の結果が生じるまでには長い時間を要する(短い時間では簡単に起こらない)ので、物事の原因や兆候を見過ごしたり、放置せずにすぐに対処することが大切であるということです。その文章の中に「一朝一夕」が使われています。

「一朝一夕」は、「一朝一夕にはできない」のように、打ち消しの表現を伴って使われるのが一般的です。

【例文】
彼女の語学力は、長い時間をかけた努力のたまものだ。一朝一夕で身についたものではない。

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