「不行き届き」とは?意味や使い方をご紹介

何か大きな不祥事などの問題が起きた時に「監督不行き届きでした」といって、テレビ画面に映る人たちが頭を下げているニュースを見たことがありませんか。この記事では「不行き届き」について、意味や使い方を例文や類語などとともにご紹介します。

目次

  1. 「不行き届き」とは
  2. 「不行き届き」の使い方
  3. 「不行き届き」の類語

「不行き届き」とは

「不行き届き(ふゆきとどき)」とは、注意や気配りが足りないこと、それらが十分に行き届かないこと、またはその結果を言います。すみずみまで十分に行き渡る、細かいことまで気が付くという意味の「行き届く/行き届き」を「不」で打ち消す形の表現です。

つまり、本来はすみずみまで十分に気を配り、手落ちがないようにする必要があったにも関わらず、そういうことができなかったときのことを、「不行き届き」と表します。

「不行き届き」の使い方

「不行き届き」は、その意味からも分かるように、「本来そうすべきであった事柄を指す言葉」の後ろに付いて使われることが多い言葉です。例えば、「管理不行き届き」などですね。

また、事故や不祥事に関する謝罪の際に使われたり、その原因究明によって判明した結果の一つとして報告される際に使われたりすることもあります。

例文

  • 今回の不祥事で逮捕者まで出して世間をお騒がせした原因の一端は、私共経営陣の管理不行き届きにあります。誠に申し訳ありません。
  • 事故は、生徒たちの些細なもめ事がきっかけで起きましたが、顧問と校長の監督不行き届きであったことは否定できません。
  • 子供の非行に対して、夫は「お前の監督不行き届きだ」と言って妻を責めた。
  • プロジェクトの停滞は、わが社とクライアント双方の担当者の連絡不行き届きという初歩的なミスが原因だった。
  • 宴席の幹事を務めるのは初めてですので、不行き届きな点も多々あったかと存じますが、無事閉会の挨拶ができてほっとしております。

「不行き届き」の類語

「不手際」

不手際(ふてぎわ)」は、物事の対処の仕方が下手なこと、またその結果がよくないことです。「不行き届き」と同様に物事の処理方法や要領を意味する「手際」を「不」で打ち消すことからこのような意味になります。

「不行き届き」とは違って、結果としてうまくいかなかった、あるいは、最初からうまくできなかったというニュアンスの強い言葉です。

【例文】

  • 今回の災害支援については、行政手続上の不手際もあり、支援物資の輸送が滞っています。
  • 幹事の不手際で同窓会の招待状が卒業生全員に送られなかった。
  • 主催者側の不手際で展覧会の準備が遅れ、開催日に間に合わなかった。

「手落ち」

「手落ち(ておち)」は、仕事などで方法などに不足や欠陥があること、またその不足や欠陥のことです。「不行き届き」と同様に、すべきことができずに不足や欠陥を生じたということも表していますが、見落としたというニュアンスの強い言葉です。

【例文】

  • 防災点検で手落ちがあると取り返しのつかない事態を引き起こすので、気を緩めることなくしっかり点検するよう指示された。
  • 探偵に素行調査を依頼したが報告書に手落ちがあり、再調査を命じた。

「過誤」

「過誤(かご)」は、あやまり、あやまちということです。聞きなれないかたい言葉ですが、行政手続きや医療行為などでは、過失や間違いを「過誤」ということが多くあります。

「過誤」は、あやまちの過程ではなく、結果を意味しますが、その点で「不行き届き」の類語と言えます。

【例文】

  • オペで患者の体内にメスを置き忘れてしまった。医療過誤として裁判になるかもしれない。
  • 行政手続き上の過誤で給付金の二重払いが発生し、市役所は対応に追われている。

「生半可」

「生半可(なまはんか)」は、中途半端で不十分なこと、いい加減なことです。「半可」は、知ったかぶりをする人を意味する「半可通(はんかつう)」から「通」を省略した形です。この「半可」に、未熟を意味する「生」をつけたのが「生半可」です。

中途半端でいい加減ですから、十分な注意も行き届かず、結果も不十分に終わることから「不行き届き」の類語と言えるのではないでしょうか。

【例文】

  • 「東大を受験するというけど、君の成績だと生半可な努力では難しい」と進路指導の先生に言われた。
  • 生半可な法律知識で弁護士と対決しようなんて無理な話だよ。

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