「小耳に挟む」とは?意味や使い方をご紹介

みなさんは「小耳に挟む」という慣用句をご存じでしょうか。「聞くともなしに聞く。ちらりと聞く。」という意味の言葉ですが、「小耳」とは何なのか、ご存じの方は少ないかもしれません。この記事では「小耳に挟む」という表現について、意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「小耳に挟む」の意味
  2. 「小耳に挟む」の使い方
  3. 「小耳に挟む」の類語
  4. 「小耳に挟む」の英語表現

「小耳に挟む」の意味

「小耳に挟む」(こみみにはさむ)とは、「会話の一部などを、聞くともなしに耳にする。偶然にちらりと聞く。」という意味の言葉です。

「小耳」とは

「小耳」とは、「耳。また、ちょっと耳にすること。ちらりと聞くこと。」という意味の言葉です。「挟む」がなくても、「小耳」そのものに「聞く」という意味が含まれているわけですね。

「小」とは

接頭語としての「小」(こ)は、使い方に応じて以下のような意味を持ちます。

  1. (名詞に付いて)小さい、細かいなど。
  2. (名詞に付いて)わずかな、少しの、など。
  3. (数量を表す名詞や数詞に付いて)わずかに及ばないが、その数量に近いこと。ほぼ。だいたい。約。
  4. (動詞・形容詞・形容動詞などに付いて)すこし、なんとなく、など。
  5. (名詞や用言などに付いて)軽んじたり、ややばかにしたりする。

「小耳に挟む」の「小」は、このうち4の「少し、ちょっと、なんとなく」という意味で使われています。

「挟む」とは

「挟む」には以下の5つの意味があります。

  1. 物を両側から押さえつける。また、二本の棒などで押さえて持つ。
  2. ある物の間やすき間に物を入れる。
  3. ある物を間に置いて位置する。
  4. ある動作の途中に他のことをわりこませる。
  5. (「耳にはさむ」の形で)聞き込む。

「小耳に挟む」の場合は5の意味で使われています。

「小耳に挟む」の使い方

「小耳に挟む」は、話を聞こうと意識して聞いたわけではなく、何気なく耳に入ってきた場合に使われる表現です。話を聞く前から聞こうと意図している場合や、じっくりと話を聞いたような場合には使われません。

「小耳に挟む」の例文

  • 丘の上に立つ屋敷について妙な話を小耳に挟んだ
  • 小耳に挟んだ話では、今年の会社の業績は良くないらしい。
  • 駅前にできた新しいカフェのケーキが美味しいらしいと小耳に挟んだ

文学作品に登場する「小耳に挟む」

「自分の母親の実家に伝わったいろいろの伝説なども小耳に挟んでいた。」
ー徳田 秋声(とくだ しゅうせい)『黴(かび)』ー
 
「そのとき、曹操は、乱軍の中にまじって、すぐそばを駈けていたので、そのことばを小耳に挟むと、
「これはいかん」と、あわてたものとみえ、旗を取って面を包み、無二、無三、鞭を打った。」
ー吉川英治『三国志』ー

「小耳に挟む」の類語

「小耳に挟む」の類語には次のような言葉があります。いずれも「聞くつもりはなかったが、人からちらっと聞く」という意味合いの強い言葉です。

  • 仄聞(そくぶん)する:少し耳にはいること。人づてやうわさなどで聞くこと。
  • 又聞きする:伝え聞くこと。間接的に聞くこと。
  • 漏れ聞く:ひそかに聞く。うわさや人づてに聞く。
  • 聞き齧(かじ)る:物事の一部分、またはうわべだけを聞いて知る。ちょっと聞いただけの知識を持つ。

「小耳に挟む」の英語表現

「小耳に挟む」の英語表現には次のような言葉があります。いずれも、「偶然、他の人の話していることが聞こえること」という意味合いが強い表現です。

overhear

“overhear”は、「ふと耳にする、ふと聞く」という意味の動詞です。

【例文】

  • I overheard their discussing the matter.(彼らが問題について議論しているのをふと耳にした。)

happen to hear

“happen to hear”は、「小耳に挟む、耳に入る」という意味の表現です。

【例文】

  • I happened to hear that he was planning to move.(彼が引越しを計画していると小耳に挟んだ。)


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