「冗談はよしこちゃん」の意味
「冗談(じょうだん)はよしこちゃん」は、「冗談はよして」「ふざけたことを言わないで」といった意味です。「よして」を女性の名前の「よしこ」にかけた駄洒落(だじゃれ)です。
実在する「よしこ」さんを揶揄(やゆ)しているわけではなく、「よしこちゃん」と愛称のように呼ぶことで、軽い感じのする言い回しになっています。ふざけてからかうような雰囲気で、深刻な場面ではほとんど使われません。
駄洒落とはすなわち言葉遊びの一種で、同じ音(同音異義語)や似通った音(単語同士の母音が同じ語、最初の音が同じ語など)の言葉をかけています。言葉の持つ意味が軽く、雰囲気が和らぐ感じがしますね。
「冗談はよしこちゃん」の語源
「冗談はよしこちゃん」の語源は、昭和61年~62年頃に発行された『ジョーダンはよしこちゃん』(著者/鈴木由美子)という少女漫画の題名からだという説があります。
しかし、ネット上では「当時の少女漫画を読む世代よりもっと年齢層が上の男性が使っていた」という情報もあり、語源ははっきりとしません。
「冗談はよしこちゃん」のバリエーション
「冗談はよしこちゃん」の「よしこ」の部分を、名前や名字を使ってさまざまに変化させたバリエーションが存在します。どれも「冗談はよしこちゃん」と同じ意味です。
【「冗談はよしこちゃん」変化した例】
- 冗談はよしこさん
- 冗談はよしおくん
- 冗談はよしだくん
「冗談はよしこちゃん」の使い方
「冗談はよしこちゃん」は昭和頃にはしばしば見られる表現でした。が、昭和50年後半~60年代と平成に近づくと「オヤジギャグ」(中高年層のお父さん世代の男性が好んで使うギャグ)扱いされるようになっていきました。
平成から令和に至った現在では死語に近く、男性のシニア層(令和2年現在、60代後半~70代以上)がおどけるような雰囲気で「冗談を言わないで」と軽く伝えたい時に、「冗談はよしこちゃんだよ」と使うのが時々見られる程度です。
「冗談はよしこちゃん」の例文
- 難関校に挑戦するって?!何言っているんだ、冗談はよしこちゃんだよ。
- そんなこと、冗談はよしこちゃんだよ。真に受けるんじゃないよ。
- 友人が歌手になると言った時は冗談はよしこちゃんだと思ったが、本当に著名な歌手になってびっくりした。
「冗談はよしこちゃん」近年の作品の使用例
近年では、「冗談はよしこちゃん」や「冗談はよしこさん」などのバリエーションを含め、作品の中での使用例が目立っています。言い回しが軽く、昔の言葉がかえって目新しく感じるのがその理由かもしれません。
「冗談はよしこちゃん」が使われる作品としては、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(略称:こいつづ)、アニメ『ラブライブ』などのセリフで使われています。SNS関連では、LINEのスタンプも販売されています。
「余裕のよっちゃん」への返しとしての使い方
過去の例を見ると、「冗談はよしこちゃん」は駄洒落である「余裕のよっちゃん」の返答に使われている場合もあります。
余裕でできると大風呂敷を広げる相手に、そんな冗談を言うなと軽くツッコミを入れて返している雰囲気です。
匿名
(内緒)
余裕のよっちゃんだよ、任せて!
匿名
(内緒)
えー、難しいのに大丈夫?冗談はよしこちゃんだよ。
「余裕のよっちゃん」とは
「余裕のよっちゃん」とは、「余裕でできる」「簡単にできる」といった場合に使われます。「余裕」の「よ」と人の愛称である「よっちゃん」とかけています。
「余裕のよっちゃん」もまた死語に近く、現在ではあまり使われていません。「冗談はよしこちゃん」と同様、昭和の終わり頃にオヤジギャグのように使われていたようです。
さらに、「余裕のよっちゃん」には「余裕のよっちゃんイカ」というバリエーションもあります。こちらは「よっちゃん」にイカの酢漬けのお菓子「よっちゃんイカ」をかけた駄洒落です。