「冗漫」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「冗漫」と聞いて、どんな意味を想像しますか。冗談の「冗」に漫画の「漫」で、なんだか楽しそうな感じもありそうですが、それは大違い。君の企画書は冗漫だ、と言われても褒め言葉ではありません。今回は、「冗漫」の意味と使い方を類語も含めご紹介します。

目次

  1. 「冗漫」とは?
  2. 「冗漫」の使い方
  3. 「冗漫」の類語

「冗漫」とは?

「冗漫」(じょうまん)とは、表現に無駄が多く、だらだらと長たらしくて散漫なこと、また、そのさまという意味です。

冗は「冗談」、漫は「漫画」という熟語でおなじみの漢字ですが、これらの言葉のように楽しげな意味ではありませんね。広く一般に使われている言葉とも言い難いですから、とりわけ若い世代にはなじみがないかもしれません。

もしも、上司から「提出した報告書が冗漫すぎるぞ!」と言われたら、報告書を突き返されかねない事態です。なかなか厳しいニュアンスですが、「冗」と「漫」の字義をみて、その意味を紐解いていきましょう。

「冗」「漫」の字義

「冗」は、音読みが(じょう)、訓読みが(むだ)。字義は①無駄、余る、不要な。煩わしい、くどくどしい。「冗談」で目にすることが多いため、愉快なイメージをもたれがちですが、実はそのような意味はありません。

「漫」は、音読みが(まん)、訓読みが(みだ・りに、そぞ・ろに)。字義は複数あり、「冗漫」では、みだりに、とりとめがない広がってまとまりがない、という意味で用いられています。一方、「漫画」の場合は「こっけいな」という意味が反映されています。

とりとめがなく、まとまりもなく、無駄でくどくどしている。「冗漫」が手厳しい言葉である理由がわかりますね。

「冗漫」の使い方

「冗漫」は、文章や解説、話など、ある「表現」を評価する際に用いられます。ポイントは、「長くくどくどしい」、なおかつ「散漫な様子」に言及していることです。

散漫な文章の例としては、焦点がしぼれていない、構成そのものが適当でない、オチがない、などでしょうか。こういった部分の「わかりづらさ」を、「冗漫」を用いて指摘することができます。

文例

  • 君の企画書は説明の文章が冗漫で、どこに焦点があるのかさっぱりわからんぞ。
  • さまざまな描写を多く書きこめばよい小説になる、など大間違いだ。冗漫な文章ほど稚拙なものはないのだから。
  • 社長の訓話は冗漫すぎて、心のなかでは首をひねっている社員が多い。

「冗漫」の類語

「冗長」の意味と使い方

「冗長」(じょうちょう)とは、文章・話などが、だらだらと無駄に長いこと、また、そのさま、という意味です。「冗漫」と似た言葉ですが、「散漫さ」「とりとめなさ」については言及していないことがポイントです。

【文例】

  • 朝礼での校長先生の話が冗長で、熱中症で倒れる生徒が3人も出た。
  • 君の報告書は冗長すぎる。構成も内容もいいのだから、重複する説明をカットしなさい。

「過多」の意味と使い方

「過多」(かた)は、読んで字のごとく、多すぎる、必要以上に多い、という意味の言葉です。「多」は数量についての文字ですので、「冗漫」「冗長」のように時間の長さを表現することはできません

よく聞く言い回しのひとつに「情報過多」が挙げられます。あまりにも情報が多すぎると、自分が必要とする情報が埋もれたり、どれにフォーカスすべきかわかりづらくなったりしますね。

【文例】現代社会では、ありとあらゆる発信媒体が乱立し、情報過多のマイナス面も浮かび上がっている。

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