「オフレコ」の意味
「オフレコ」は外来語であり、カタカナ語であり、略語でもあります。英語の "off the record" がその語源です。
recordは「記録」、offは「(関わりや供給を)断つ・切る」を表し、「オフレコ」とは「記録しない」、転じて「内密の・内緒の」「非公式の」という意味になります。
(英文例)
- This is off the record.(これは秘密ですよ)
- He told to me off the record.(彼は内密に話をしてくれた)
「オフレコ」はメディア用語
「オフレコ」は、主に報道関係で使われるメディア用語です。「取材などで語られた内容を公表したり記録したりしないこと」また、「それを条件に取材者に情報提供すること」が本来「オフレコ」が持っていた意味合いですが、今では個人間の会話でも使われたりします。
通常、取材というものは、被取材者の発言を記事やニュースにして「公表する」ことを前提に行われます。記者会見やインタビューとなるとなおさらですが、時には部分的にメディアに乗せてほしくない事柄も出てきます。
そこに「オフレコ」という条件がつくと、発言のすべて、または一部をぼかしたり削ったり、情報提供者の名前を伏せたりすることで公表の許可が得られるのです。例えば以下のようなシチュエーションです。
- その場限りの話題として提供された場合
- 情報提供者の立場上、その発言を公表できない場合
- 社会への発言の影響が大きいと懸念される場合
「オフレコ」には「完オフ」と「匿名報道」があります。「完オフ」は名前と発言内容すべてを非公開とするものです。「匿名報道」は情報提供者の名前を伏せて、発言内容だけを公表するものです。
「オフレコ」の使われ方
「オフレコ」の成立条件
- 事前に、情報提供者から取材側へ「オフレコ」である旨を伝えている
- 取材側の記者が全員同意している
※記者以外のその場にいた人にも適用される場合があるので注意が必要
「オフレコ」の解除条件
「オフレコ」発言の解除は、基本的に「情報提供者からの許可」がなければしてはならないとされています。しかし、「発言内容の信憑性が、他の情報源への取材で裏づけ出来ている」場合や、「時間が経ってオフレコ解除になった」と現場が判断したときには報道されることもあります。
また、たとえ「オフレコ」発言を受けた記者が記事にしなくても、その内容を雑談の際に他の関係者に漏らしてしまうケースなどもあるため、「オフレコ」を条件に話をする場合には、取材者と被取材者の間で、どの情報を、どの範囲まで公開するか(または非公開とするか)、綿密な打ち合わせが必要となってきます。
「オフレコ」の使用例
(情報提供者と記者の間で)
- 「これから話すことは、くれぐれもオフレコでお願いしますね」
- 記者とオフレコで話をしていたはずだったのに、政敵がその内容を知っていた
- 大臣のオフレコ発言がリークされ、週刊誌に載ってしまった
(友人間で)
- 「この話はオフレコだからね!」
- 友達にオフレコをばらされてショックを受けた
「オフレコ」の対義語
「オフレコ」の対義語は「オンレコ」です。こちらも英語の "on the record" の略語で、公表しても(されても)問題ないことを意味します。
(使用例)
- 「この話はオンレコでいいよ」
「オンレコ」は「オフレコ」と読みが似ています。しかし意味は正反対なので、間違えないようにしましょう。「オンレコ」という単語が会話に出てきた際、解釈に自信がないときは、具体的に「他の人に言ってもいいんですよね?」と確認しておきましょう。「違う、ナイショ!」と言われたら「オフレコ」です。
「オフレコ」に似ている言葉
- アフレコ:撮影済みの映像に合わせて自分のセリフなどを録音すること。音入れ。「アフターレコーディング」の略。
- アテレコ:海外ドラマの吹き替えなど、他人の声の代わりに自分の声を録音すること。「声を当てる」から来た「当てレコ」が語源とも。
ただし現在では両者の意味に大きな違いはなく、「アフレコ」と称されることが一般的なようです。
「オフレコ」のまとめ
「オフレコ」の意味と使い方がお分かりになったでしょうか。
近年、日本のマスコミにおいては、「オフレコ」発言がリークされることが多々あり、「オフレコ」は死語となった、とみなす人もいます。しかし日常生活でも使える言葉ですから、意味を知っておいて損はないでしょう。友達から「オフレコね!」と言われたら、「あ、ナイショなんだな」と思ってくださいね。
以上、「オフレコ」の意味と使い方をご紹介しました。