「珍しい」の意味
「珍しい」(めずら-しい)は形容詞で、下記の意味で使われます。
- 見慣れない・あまり例がない
- 貴重である
もともと「珍しい」は、動詞の「愛ず(「愛づ」とも表記)」(め-ず・づ)から派生した言葉です。文語的で現代語ではあまり使われていません。
平安時代の短編物語集『堤中納言物語』(つつみちゅうなごんものがたり)に登場する「虫愛づる姫君」のような古典などで見かけることがほとんどです。
「珍しい」の使い方
1.見慣れない・あまり例がない
「珍しい」は、あまり例がないこと、普段見慣れない物を表す時に使います。物や動物などの形や種類の他、人の行動についても対象となる場合があります。
【例文】
- 早起きするなんて珍しいね。何かあったの?
- 寒天は見たことがあるが、生の天草(テングサ)とは珍しい。
- 近くの水族館には冷凍のシーラカンスが展示され、珍しいと評判を呼んでいる。
- 三毛猫のオスは珍しいと言われています。
2.貴重である
品物に対して「珍しい」と使われる場合、数が少なくあまり世間に出回らない物であることがほとんどです。骨董品や限定品で、人気のある「珍しい」物は貴重な品として扱われ、値段や評価が非常に高くなります。
【例文】
- アンティーク時計の中でも保存状態の良い珍しい品ですね。
- 偉人が書いた書と伝わる珍しいお宝です。
- 室町時代に描かれた珍しい屏風絵ですね。
- 珍しいアライグマのぬいぐるみは、飲料メーカーの懸賞で当てた物だ。
「珍しい」の類語
1.「見慣れない・あまり例がない」という意味での類語
「珍しい」を「見慣れない。あまり例がない」という意味で使う場合、「滅多に無い」(めったにない)、「稀有」(けう)などが類語として用いられます。
「滅多に無い」は、普段なかなか遭遇しない、あまりないという意味です。「滅多」は、当たり前、並大抵のことをいい、「無い」で打ち消しています。
「稀有」は、読み下すと「稀に有る(まれにある)」となり、言い換えるとあまりない、なかなか見られないことになります。「稀」は、珍しい、少ないことです。
【例文】
- 著名な先生の工房を見学させてもらえるなんて、滅多に無いことだ。
- 彼は稀有な才能の持ち主で、世界から注目されている。
2.「貴重である」という意味での類語
「貴重である」という意味を表す「珍しい」の類語としては、「レア物」「希少価値の高い」が挙げられます。
「レア物」は、目にする機会が少ない逸品(いっぴん)を表します。「レア」は英語で"rare"「希少な」という意味です。テレビゲームやオンラインゲームで、なかなか出ないアイテムやキャラなどを指すこともあります。
「希少価値の高い」は、数が少ない分、重要性が増して値打ちが非常に高くなることを言います。「希少価値」とは、ある物や品の数が非常に少ないことから付く値段や評価などのことです。
【例文】
- 有名な作家のレア物の家具が手に入った。
- 噴火でほとんど無くなっているため、歴史的にも希少価値の高い建造物だ。