「営々」とは?意味や使い方をご紹介

「営々」という言葉は、耳慣れない言葉だと感じる方もいるでしょう。「経営」「営業」などで使われる「営」という字なので、仕事に関係するのではと推測するかもしれませんね。「営々」の意味や、現代での使い方、類語について紹介します。

目次

  1. 「営々」の意味
  2. 「営々」の使い方
  3. 「営々」を使った四字熟語
  4. 「営々」の類語

「営々」の意味

「営々」(えいえい)は、古くはひとつの所に留まらずにあちらこちらに行き来する様子を言いました。この意味が派生し、現在では「熱心に励むこと・休みなく懸命に働くさま」を表します。

「営々」の使い方

「営々」は、現代においては日常会話で使うことはあまりないでしょう。文語的な表現で、古い時代の文献、近現代の文学作品で見られる場合があります。

精力的に動く意味合いから、一心に仕事に打ち込んでいる状態、身を粉にして働いている様子をたとえることができます。また、勉強や趣味にいそしむなど、物事に対して熱心に取り組むさまにも使えます。集中している様子がうかがえる言葉ですね。

例文

  • 営々と家業に打ち込み、自社ビルを建てるまでになった。
  • 営々と働いてきた彼の頑張りが、これでは認められていないように感じる。
  • 受験勉強に営々と取り組み、現役で志望校に合格できた。
  • 趣味の生花を営々と続け、師範の資格を取れるまでになった。

「営々」を使った四字熟語

「営々」を含む四字熟語には、以下のようなものが挙げられます。

  • 孜々営々(ししえいえい)休まずに一生懸命に物事に打ち込むこと
  • 営々辛苦(えいえいしんく)必死で辛く苦しい思いをしながら取り組むこと
  • 営々黙々(えいえいもくもく)黙ってひたすら励み続けること

「休まずに」、「つらい思いをしながらも」といった言葉と重ねることによって、一心にやり続ける印象を受けますね。

例文

  • 学費を得るために、雨が降ろうが槍が降ろうが、孜々営々に働いた。
  • 毎月の赤字経営で営々辛苦の状態ではあったが、やっと報われる時がきた。
  • 悔しいことがあっても営々黙々と打ち込み、ライバルとの差をつけた。

「営々」の類語

一生懸命・一所懸命

「一生懸命」「一所懸命」は、物事に対して、自分の意思でひたむきに取り組むことです。どちらも「営々」と意味合いはほとんど同じです。

もともとは「一所懸命」で、中世の時代において、武士が主君から与えられた一ヶ所の土地を命がけで守り、生きるための拠り所としたことから来ています。

これが時代とともに「主君への恩」から「自分の一生を懸ける」という「一生懸命」にフォーカスして使われるようになりました。現在では「一生懸命」と使うことが多いでしょう。

【例文】

  • 主君から拝領した地を豊かにし、一所懸命に武功を上げることで、恩に報いることができる。
  • 一生懸命バレエのレッスンに励み、最優秀賞に輝いた。

勤勉

「勤勉」(きんべん)は、勉強や仕事にひたむきに取り組むことです。他人からの「勤勉」だという評価は、褒め言葉として使われることがほとんどです。「営々」と同じような意味合いですが、趣味などに打ち込む様子を「勤勉」とはいいません。

【例文】

  • 彼は勤勉な学生で、成績も良い。
  • 勤勉なのは素晴らしいが、具合が悪いときには休んで良いんだよ。

一途に

「一途に」(いちずに)とは、他のことに目を奪われることなく、ひとつの物事に集中して行う様子をいいます。

真摯でひたむきなさまを表す言葉で、「営々」と同様に、さまざまな取り組みに対して用います。「一途な思い」などと人の気持ちに対して使えることも特徴です。

【例文】

  • 私の指導教授は学問に一途で、多くの人から尊敬されている。
  • 高嶺の花に一途にアタックし続け、ついにお付き合いできるようになった。

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