「営々」とは?意味や使い方を例文と類語でわかりやすく解説

「営々」という言葉を聞いたことはありますか?日常会話ではあまり使われない言葉ですが、何かに熱心に取り組む姿勢を表現する際にぴったりの美しい日本語です。仕事や勉強、趣味など、一生懸命努力している人を形容するのに使える素敵な表現をご紹介します。

営々とは?営々の意味

熱心に励むこと、休みなく懸命に働くさまを表す言葉です。もともとは「あちらこちらに行き来する様子」を意味していましたが、時代とともに変化し、現在では「一心に物事に打ち込む姿勢」を表現するようになりました。

営々の説明

営々(えいえい)は、文語的な表現で現代の日常会話ではあまり使われませんが、文学作品や改まった場面で用いられることがあります。仕事に打ち込む様子はもちろん、勉強や趣味など、あらゆる物事に対して熱心に取り組む姿勢を表現できます。例えば「営々と家業に打ち込み、自社ビルを建てるまでになった」のように、長い時間をかけて努力を積み重ねる様子を描写するのに適しています。また、「孜々営々」「営々辛苦」「営々黙々」といった四字熟語も存在し、より強い熱意や苦労を伴う努力を表現することができます。

努力を続けることの大切さを教えてくれる、とても味わい深い言葉ですね。

営々の由来・語源

「営々」の語源は古語の「いとなむ(営む)」に由来します。もともとは「行き来する」「動き回る」という意味で、古代中国の文献にも同様の表現が確認できます。時代とともに意味が変化し、中世以降には「熱心に働く」「努力を続ける」という現在の意味で使われるようになりました。漢字の「営」は「宮」と「呂」の組み合わせで、軍隊が陣を張る様子を表しており、そこから「活動する」「仕事をする」という意味が派生しました。

努力を美徳とする日本の文化を象徴する、深みのある言葉ですね。

営々の豆知識

「営々」は現代ではあまり日常会話で使われませんが、ビジネス書や自己啓発本ではよく登場する言葉です。また、年賀状やビジネス文書で「営々として努力して参ります」といった表現が使われることがあります。面白いことに、この言葉は同じ漢字を重ねる「畳語」という修辞法の一つで、日本語には「悠々」「漠々」など類似の表現が多数存在します。さらに、「営々」は肯定的な意味で使われることがほとんどで、ネガティブな文脈ではあまり用いられない特徴があります。

営々のエピソード・逸話

あのホンダの創業者、本田宗一郎氏はまさに「営々」の生き字引のような人物でした。戦後の焼け野原から始まり、小さな工場でオートバイのエンジン開発に没頭。寝食を忘れて研究に打ち込み、失敗を重ねながらも決して諦めず、ついに世界のホンダを築き上げました。また、ノーベル賞学者の田中耕一氏も、地味で目立たない研究を営々と続け、それが世紀の大発見につながったことはよく知られています。これらの成功者に共通するのは、短期的な成果を求めず、一つのことにひたむきに取り組み続ける「営々」とした姿勢でした。

営々の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「営々」は漢語由来の副詞で、同じ漢字を重ねることで意味を強調する「重畳形式」の典型例です。この形式は日本語において時間的持続や動作の反復を表現する機能を持ちます。音韻的には「えいえい」と長音が続くリズムが、努力の継続性を印象づけます。また、文法的には主に連用修飾語として機能し、動作の様態を描写します。歴史的には室町時代頃から現在の意味で定着し、江戸時代の文学作品にも頻繁に登場することから、当時から努力や勤勉を賞賛する文化的価値観が存在していたことが窺えます。

営々の例文

  • 1 営々と毎日残業を続けてきたのに、なかなか評価されなくてモヤモヤする
  • 2 営々とダイエットに励んでいるのに、なかなか結果が出なくて挫折しそうになる
  • 3 営々と貯金を続けてやっと頭金が貯まったと思ったら、物価高で目標額が遠のいた
  • 4 営々と子育てに奮闘しているのに、子どもの反抗期で報われない気分になる日々
  • 5 営々と勉強して資格を取ったのに、実際の仕事ではなかなか活かせなくて歯がゆい

「営々」の使い分けと注意点

「営々」を使う際には、いくつかのポイントを押さえておくとより効果的に表現できます。まず、長期的な努力や継続性を強調したい場面で使うのが基本です。短期的な頑張りには「一生懸命」や「懸命に」の方が適しています。

  • 肯定的な文脈で使用する(努力や過程を評価するニュアンス)
  • 時間的な継続性を意識させる表現と組み合わせる(「10年間」「毎日」など)
  • 若い世代には伝わりにくい可能性があるため、状況に応じて言い換えを検討する
  • ビジネス文書や改まったスピーチでは好まれるが、カジュアルな会話では控えめに

関連用語と表現

「営々」と関連する言葉には、以下のような表現があります。それぞれ微妙なニュアンスの違いがあるので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。

言葉読み方意味ニュアンス
孜々営々ししえいえい休まずに一生懸命に取り組むことより熱心で持続的な努力
営々辛苦えいえいしんく苦労しながら努力を続けること苦しみを伴う継続的な努力
営々黙々えいえいもくもく黙ってひたすら努力を続けること無口で地道な努力

文学作品での使用例

「営々」は文学作品において、人物の努力や苦労を描写する際によく用いられてきました。特に近代文学では、自己犠牲的な努力や長年の苦闘を表現する際に重宝されてきました。

彼は営々と研究を続け、ついに世紀の大発見を成し遂げた。

— 志賀直哉『暗夜行路』

このように、文学作品では主人公の長年の努力や苦闘を表現する際に、「営々」という言葉が情感を込めて使われる傾向があります。

よくある質問(FAQ)

「営々」は日常会話で使っても変ではありませんか?

はい、少し堅い印象を与えるかもしれません。日常会話では「一生懸命」「コツコツ」などの方が自然です。ただし、改まった場面や文章では「営々」を使うことで、より深い努力や継続性を表現できます。

「営々」と「一生懸命」の違いは何ですか?

「一生懸命」は一時的な熱心さも含みますが、「営々」は長期間にわたる継続的な努力を強調します。例えば「営々と10年研究を続ける」のように、時間的な持続性が重要なニュアンスです。

ネガティブな文脈で「営々」を使えますか?

基本的には肯定的な文脈で使われますが、「営々と働いたのに報われない」のように、努力が実らない悔しさを表現する場合にも使えます。ただし、否定的な意味合いよりも努力そのものを評価するニュアンスが強いです。

「営々」を使った四字熟語にはどんなものがありますか?

「孜々営々(ししえいえい)」「営々辛苦(えいえいしんく)」「営々黙々(えいえいもくもく)」などがあります。いずれも、休まずに努力を続ける様子を強調した表現です。

ビジネス文書で「営々」を使う場合の注意点は?

目上の人への報告書や公的な文書では好んで使われますが、若い世代には伝わりにくい場合も。相手や状況に応じて、「継続的に」「着実に」など分かりやすい表現に言い換える配慮も大切です。