「打開策」の意味
「打開策」(だかいさく)とは、現在置かれている難しい状況を乗り越えるために打ち出す方法や手段のことです。「打開」は、行き詰まった状態を切り開き、解決に導こうとすること、「策」は、計画・手段・方策・方法などのことです。
「打開策」の使い方
「打開策」を用いる場合は、現在何かしらの壁にぶつかっていて八方塞がり、非常に困難な状況に陥っているなどの事情がうかがえます。万策尽きている中で新しい方法を考えなくてはいけない追い詰められた状況で、今後の策を練ることもあります。
問題点を解決する手段
非常に難しいですが、仕事での「打開策」は問題点を解決する手段でなくてはいけません。思い切った計画を実行して、成功する場合もあります。ただし、今までとはまるで変わった策を出すと思わぬ反発を受けることもあるでしょう。
【例文】
- 打開策を考えたが、周囲から性急すぎると反対された。
- 効果のある打開策を提案したが、上司が失敗を恐れて穏健な方法が採用された。
- 社員の解雇など大きな犠牲を伴う打開策をやり遂げ、会社の業績が上向きになった。
マンネリを脱するための方策
仕事だけでなく、個人的な出来事でも同じことが続いてマンネリ化する場合があります。現状に満足していれば問題ありません。しかし、現状に不満が出てきて、より発展させる方法を考えている場合、その方策を「打開策」と表現できます。
【例文】
- お付き合いして10年、惰性で付き合っていても良いものかと打開策を考える。
- 飽きている視聴者が多く、打開策に新しい登場人物を出して話の展開を広げてみた。
- ダイエットで不満が爆発し、打開策として「おいしい」と評判の病院食のレシピを取り入れることにした。
スランプを乗り越える方法
叶えたい夢、成し遂げたい仕事があっても、一人前になるまでには経験を積まなくてはいけません。しかし、スランプで壁にぶつかる状況になると大変です。乗り越えていくための方策に「打開策」と使えます。
【例文】
- 作品が採用されずに辛いが、何とか打開策を考えないといけない。
- 笑顔で挨拶するという打開策が本に記載されていて、その通りにしたら契約件数が上がった。
先行きの不安を乗り越える方法
国内の不況や国際的な摩擦、新たな流行病などで社会が不安定になり、先行きが不安になる場合があります。個人でできることは限られているかもしれません。それぞれが不安を乗り越える方法を模索している時に「打開策」が使われます。
【例文】
- 先行きが不安だが、なるべく平常時の暮らしと変わらないようにするのが打開策と言えよう。
- 流行病には手洗い、うがい、早寝早起き、しっかりご飯を食べるのが打開策になるような気がする。
「打開策」の類語
突破口
「突破口」(とっぱこう)とは、もともとは敵地を攻めるために作った入り口のことです。派生して、難しい問題や障害を解決する手がかりということも表せます。派生した後者の意味であれば、「打開策」と同様に使えます。
【例文】
- 敵陣を効果的に攻める突破口を開いた。
- 手練れ(てだれ)の相手とは交渉が難しいが、突破口を探って粘り強く当たるつもりだ。
起死回生
「起死回生」(きしかいせい)とは、すでに死にかけている人を蘇らせること、優秀な医療技術を持つことです。そこから転じて、もうだめだと思われる状況を一変させて良い状況に好転させることを言います。
危機に瀕している状態、勝負事で負けそうな状態、組織などがすでに崩れそうな状態から巻き返せるような状況に使われます。「起死」「回生」ともに人を生き返らせることで、同じ意味の熟語を重ねて強調しています。
「打開策」と同様の意味で使う場合は、「起死回生の策」「起死回生の案」といったように、手段や方策を表す語句を形容する形にします。
【例文】
- A君が出した起死回生の策で、一気に形勢が逆転した。
- 起死回生の戦術で、戦いに勝利した。