「異にする」の読み方
匿名希望
(10代学生)
「異にする」の読み方が分かりません。「いにする」?それとも「ことにする」ですか?
「異」の読み方には、訓読みの「こと」と音読みの「イ」があります。「異にする」の場合は、「ことにする」という読み方です。
「イ」の読み方を使う例は「異物」「異口同音」など熟語を構成する場合です。他に「異議を唱える(いぎをとなえる)」(違う意見を言う)、「縁は異なもの味なもの」(人間の関わり合いは不思議で面白いものだ)などの使い方があります。
「異にする」の意味
「異にする」の意味は以下の通りです。
- 別である、違うようにする
- (違っているところから)他より際立っていて特別なこと
「異」には、わける、別々にする、同じではないといった意味があります。それ以外に、普通ではない、非凡で際立って優れているといったことも表します。
「異にする」の使い方
「異にする」は、対象となる物事を表す語に続けて「~を異にする」という形で使われることが多いです。成句ではありますが、日常会話ではあまり用いられません。小説などの文学作品で見られる場合があります。
1.別である
「異にする」は、対象となる物事とは別であること、はっきりと違いがあることを表す時に使われます。全く同じ状態ではないことです。
「趣を異にする」(物事の様子や筋などが違う)、「様相を異にする」(様子、状態がいつもと違う)、「幽明界を異にする」(ゆうめいさかいをことにする:「暗い所と明るい所と別々になることから、あの世とこの世で死に別れる」という意味)などの用例があります。
【例文】
- Aくんとは意見を異にしているが、立場を尊重するつもりだ。
- 同じグループに属していても、それぞれの人は考え方を異にしてばらばらな印象を与える。
2.際立っている
「異にする」は、他の人とは違って、非常に優秀で際立った存在であることを表すときに使えます。けなしたり、悪いことで目立ったりした場合には用いられません。非凡で他に見当たらないと褒める意味で使われます。
【例文】
- 彼は他の人と比べて、実力を異にするくらい優れた人材だ。
- 幼少の頃から才を異にして神童と呼ばれていた。