「リバ」とは
「リバ」は「リバース」(reverse)、あるいは、リバーシブル(reversible)の略です。「リバ」という言葉は同性愛に関する言葉で、英語では「vers」(多才なという意味のversatileの略)と表現します。
リバースは逆にする、リバーシブルは逆にすることができるという意味ですね。「リバ」では何を逆にすることを言うのか、次の項で見ていきましょう。
「リバ」で逆転するものとは
同性同士の性行為において、挿入する側を「タチ」、される側を「ネコ」と呼びます。ただし、リードする側を「タチ」、される側を「ネコ」と広義に解釈する向きもあります。
諸説ありますが、タチは、歌舞伎の男役のことを「立役」(たちやく)と呼んでいたことに由来します。他方、「ネコ」はもともと砂利などを運ぶ一輪車(手押し車)のことです。これを逆さにして置いたときのフォルムが猫に似ていることからこう呼ばれています。
この一輪車を押す様子が、性交の様子に似ていることから、性行為における「ネコ」という言葉に派生したという説があります。
「リバ」が指す「逆転するもの」とは、「タチ」と「ネコ」の役割です。普段はタチのことが多いけれど相手に合わせてネコにもなれる、気分によってタチのときもあればネコのときもあるという嗜好のことを「リバ」というわけです。
「リバ」の反対の意味を表す言葉
「リバ」は「タチ」と「ネコ」役割を逆転できることを指しますから、反対の意味となるのは役割を固定することを意味する言葉であることは予想がつくでしょう。
役割を「タチ」に固定している人を指して「バリタチ」、「ネコ」に固定している人を「バリネコ」と言います。ここでの「バリ」は「バリバリ」の略で、「とても・すごく」という強調の意味です。
「リバ」の使い方
【例文】
- 自分はバリタチだと思っていたけれど、リバもいけるかもしれない。
- 基本的にはリバだけれど、今のパートナーとの場合はネコだな。
このほかにも、タチのことことが多いけどネコでもOKということを「タチ寄りのリバ」、その逆を「ネコ寄りのリバ」と表現することもあります。これは、若者言葉の「アリ寄りのナシ」(アリの要素もあるが総合的に考えるとナシ)といった表現と同じですね。
同人誌における「リバ」
「カップリング」とは
「カップリング」は、二次創作の同人誌などで用いられる用語で、キャラクタ同士が恋愛関係にあることを表します。「カプ」「CP」は「カップリング」の略です。
カップリングはBL(男性同士の同性愛)、百合(女性同士の同性愛)を描いた作品に対して使われますが、中にはNL(異性同士の恋愛)について用いられることもあります。
同人誌においては、多くの場合、男性的な役割やリードする立場は「攻め」、女性的な役割やリードされる立場は「受け」と表現します。
たとえば、AさんとBさんのカップリングの場合、A×Bと書いてあれば、Aさんが攻めでBさんが受けです。逆に、B×Aならば、Bさんが攻めでAさんが受けですね。
同人誌の「リバ」
AさんとBさんのカップリングで、状況によって「攻め」と「受け」の立場を変える「リバ」という設定の場合は、A×B×Aと表記されます。
また、同じ「リバ」であっても、同じ世界観のなかでA×BとB×Aの「リバ」が描かれることを「同軸リバ」。こちらの世界ではA×Bであっても、パラレルワールドではB×Aという設定の場合は「別軸リバ」と区別されることがあります。
「リバ可」とは
現実世界の同性愛における「リバ」は本人同士の嗜好によります。しかし、同性愛を描いた同人作品などは、書き手や描き手(一人の場合もあれば複数の場合もある)と多くの読者たちの好みによるので、問題が少し複雑です。
多くの場合、A×Bを好む人とB×Aを好む人とは相容れません。しかし、AさんとBさんの恋愛が描かれているならば、A×BでもB×Aでも構わないという嗜好を持っている場合は「リバ可」と言い表します。