「ガンダ」とは
若者の間で使われている「ガンダ」とは「ガンダッシュ」の略。「ガンダッシュ」は、ガンガンとダッシュすること、つまり「全力疾走すること・ものすごい勢いで走ること」です。
「ガンダ」は、実際に勢いよく走ることを指す場合と、とても急いで作業などに取り組むことの比喩として用いられる場合とがあります。次の項からは、「ガンダ」を「ガン(ガンガン)」と「ダ(ダッシュ)」に分けて、詳しく見ていきましょう。
「ガンガン」と「ガン」
「ガンガン」は擬態語です。鐘などが大きく鳴り響く様子や、頭痛がひどい様子を表すこともありますが、ここでは、勢いが激しい様子を指しています。
また、「ガンガン」は「ガン」と略されている場面も多くあります。たとえば、凝視することを「ガン見」、大泣きすることを「ガン泣き」、徹底して無視することを「ガン無視」と言いますね。
このように、俗語において、「ガン」は、程度がはなはだしいことを表す接頭辞のように用いられているのです。
「ダッシュ」
「ダッシュ」(dash)は、語句と語句の間に用いる「ー」という記号、ローマ字の右肩につけたり、数学で導関数を表す「'」という記号を指すこともあります。しかし、「ガンダ」の「ダッシュ」の意味は、突進すること、全力で疾走することです。
「ガンダ」の使い方
上でも触れたとおり、「ガンダ」は、実際に速く走ること指す場合と、急いで行動することの比喩である場合とがあります。
実際に速く走ることを指す場合
- 学校が終わったらガンダする!
- ガンダしたけど終電逃した。
- ガンダして階段から落ちた。
- 調子悪くて、トイレにガンダ。
とても急いで行動する比喩である場合
- 生配信見たいからガンダで風呂入るわ。
- 8月31日に宿題ガンダで片付けた。
- 合コンのためにガンダで仕事終わらせる!
- (ソーシャルゲームのイベントで)ガンダでアイテムゲットした。
「ダッシュ」を含む言葉
「スタートダッシュ」
「スタートダッシュ」(start dash)とは、短距離走などでスタートの合図とともに勢いよく飛び出すこと、または、最初から全力を出して物事に当たることを表します。「スタート時」に限定した表現ではあるものの、「ガンダ」に近い言葉と言えるでしょう。
「キンコンダッシュ」
「キンコンダッシュ」とは、終業時刻になるとすぐに帰ること、残業をしないことを言います。職場において、実際に時間を知らせるチャイムがなることは少ないかもしれませんが、「キンコン」は、終業を知らせるチャイムのイメージですね。
このほかにも「定時ダッシュ」、終業時刻によって「5時ダッシュ」や「6時ダッシュ」と言われることもあります。終業ベルがなったらさっさと帰ることを表現して「ベルサッサ」という言葉を使う人もいますね。
「キンコンダッシュ」は、以前は、仕事を放りだして帰る人といったネガティブなイメージでした。しかし、近年は仕事に対する意識の変化から、必ずしも悪いことではないという捉え方に変わってきているようです。
「ピンポンダッシュ」
上で紹介した「キンコンダッシュ」と音は似ていますが、「ピンポンダッシュ」は呼び鈴を押して誰かが出てくる前に逃げることです。大抵は、子供の他愛もない悪戯でしょう。しかし、悪戯と侮れない、ストーカーや空き巣による在宅確認である場合もあります。
「Bダッシュ」
「Bダッシュ」は、任天堂が1985年に発売したファミリーコンピュータ用のゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』に由来する言葉です。プレイヤが操作するキャラクタ(マリオやルイージ)は、ゲームコントローラの「Bボタン」を押すことでダッシュする仕様でした。
ここから転じて、「Bダッシュ」は、急いで行く、急いで何かをすることを表す言葉として、若者たちの間で用いられるようになったのです。
「ダッシュボード」
「ダッシュボード」(dashboard)は、自動車のエンジンルームと運転席との間の仕切り板、つまり、スピードメータなどが付いている部分を指す言葉です。また、ビジネスやITの分野では、統計データなどを可視化したグラフなどを言います。