「見やる」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「見やる」は現代語と古語の両方で、遠くを見ること、ある物や場所を見ることの2つの意味を持っています。「見る」という行為自体は同じなのですが、どのようなニュアンスの違いがあるのでしょうか。「見やる」の類語を交えて意味と使い方を紹介します。

目次

  1. 「見やる」とは
  2. 「見やる」の使い方
  3. 「見やる」の類語

「見やる」とは

「見やる(みやる)」は「見る」ことを表す動詞ですが、「何を」「どのように」見るのかで区別すると、2つの意味が存在します。

  1. (遠くにある物を見るために)目を遠くに向けること。
  2. そちら側をちらっと見ること。

古語における「見やる」とは

「見やる」という言葉は、古語にも存在します。意味は、現代語の「見やる」とほぼ同じです。

  1. 遠くを望んで見ること、遠くを眺めること
  2. その方に目を向けて見ること

現在と同様に、遠くを見る時とある物や場所を見る時の2つの状況を表していました。古語における「見やる」の言い換え表現としては「眺めやる(ながめやる)」「眺む(ながむ)」「望む(のぞむ)」などが代表的です。

「見やる」の「やる」

「見やる」の「見」は文字通り「見る」ことを表しています。それでは「やる」にはどのような意味があるのでしょうか。「見やる」は漢字で表記すると「見遣る」と書きます。

「遣る」は、現代語では「他の場所へ移動させること」、古語では「行かせること、進ませること、送ること」などを意味する言葉です。

現代語、古語ともに、ある場所からある場所へ移動することを表現しています。「見やる」とは、見たい物の対象に目線を移動させる行為ということを表現しているのです。

「見やる」の使い方

遠くを見る時

遠くにあるものを見ようとするときや、遠くをぼんやりと見るさまを表すときに、「見やる」という言葉を使うことができます。

  • ふと山の方を見やると、桜が咲き始めていた。
  • 家の外を見やると吹雪になっている様子だった。
  • 船に乗って海岸を見やると、彼がこちらに手を振っていた。

ある物や場所を見る時

ある物や場所を見る時にも「見やる」を使用できます。特定の物体や方向に対してに視線を持っていくようなイメージです。

ふとそちらを見ようとして見る場合と、音が聞こえるなどのきっかけがあってそちらを見る場合があります。

  • 時計を見やると、秒針が止まっていた。
  • 声が聞こえた方を見やると困った顔をした友人が私を呼んでいた。

「見やる」の類語

眺める

「眺める(ながめる)」とは見えるところ全体の様子を見ることを表す言葉です。見たいものをしっかりと見るだけでなく、ただぼんやりと見つめているだけの様子を表現するときにも使用します。

  • ホテルの窓から眺める街並みが最高に美しい。
  • カフェでコーヒーを片手に窓際の席を選び、人通りをぼんやりと眺めた。
  • 絵画を眺めていると嫌なことを忘れられる。

望む

「望む(のぞむ)」には欲求を表す意味もありますが、遠くを眺めて見ることを表現する意味もあります。

  • ここから望む紅葉が見頃を迎えている。
  • 船の上からサンゴ礁の綺麗な海を望むことができる。
  • ベランダから望む景色はビルだらけだ。

覗く

「覗く(のぞく)」とは、狭いところや狭い穴から向こうを見ることを表します。

  • 天体望遠鏡を覗くと木星がはっきり見えた。
  • 壁に空いた穴を覗くと、部屋の様子がよく分かる。
  • インターホンが鳴ったのでドアスコープを覗くと、宅配ピザの店員が立っていた。

目をやる

「目をやる(めをやる)」とは、そちらに目を向けるという意味です。ふと目を向けたり、見ようとして目を向けたり、様々な状況に対応します。

  • ふとドアに目をやると、可愛らしいカレンダーがかかっていた。
  • 目をやった先には大きな山がそびえ立っている。
  • 仔犬に目をやると「わん!」と吠えてこちらに走ってきた。


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