「予々」の意味
「予々」は「かねがね」と読み、「兼ね兼ね」と表記する場合もあります。「前もって・前々から・かねて」と言う意味を持つ副詞です。
「お噂は予々聞いております」と耳にすることがあると思いますが、これは「前々からお噂は聞いております」という解釈になるわけです。
「予」の字義
「予」には「あらかじめ・かねて」という意味があり、「予」を用いた二字熟語にはそれらの意味を含んだものが多いです。例えば「予約」「予定」「予知」などはそれに当てはまります。
「予々」は「予」を2つ重ねることで「前から」の意味を強めているわけですね。
「予々」の使い方
- この大学に入学したら、予々お会いしたいと思っていた教授にお会いすることが出来た。頑張って勉強した甲斐があったよ。
- あなたのお噂は予々聞いておりました。実際にお会いできることになり大変光栄に思っております。
- あなたの論文を初めて聞いた時から是非お近づきになりたいと予々考えていました。このような機会があり大変嬉しく思います。
「予々」と間違いやすい言葉
「常々」
「常々」は「つねづね」と読みますが、「予々」と使い方があやふやになっていませんか。「予々」と同じように副詞として使用されることがありますが、意味は「普段・へいぜい・いつも」です。
つまり「予々思っている」は「前から思っている」、「常々思っている」は「いつも思っている」という違いがあります。この2つの熟語に関しては使い分けが少し難しいと言えるでしょう。
【例文】
- 私は彼の授業態度が悪いと常々先生に訴えているが、彼の態度が変わる気配が一向にない。
- 通勤で満員列車に乗らないためにはどうしたら良いのか常々考えている。
- 授業中に眠くならない方法を常々考えているが、ガムや目薬程度では効果がない。
「概ね」
「概ね」は「おおむね」と読みます。こちらは意味より読み方を「予々」と混同する方がたまにいるようです。意味は「だいたい・おおよそ」です。
【例文】
- 今週中に提出の課題があるが、私は毎日コツコツ勉強していたので概ね完成している。
- この公園の規模は概ね東京ドーム5個分といったところでしょう。都内では稀な大きさではないでしょうか。
- 今回の期末テストは難易度が高かったこともあり、概ね半分の生徒が赤点という事態になってしまった。
「予々」の類語
「以前から」
「以前」には「それより前・むかし・かつて」という意味があります。「以前から」は「昔から・かつてより」という意味ですから、「予々」の類語と言えますね。
【例文】
- 私は彼女のことを初めて見たつもりだったが、どうやら以前に大学の授業で同じグループになった事があったそうだ。
- 以前から海外旅行に行きたいと思ってアルバイトに勤しんでいたが、ついにその夢が来月叶うことになった。
- 木製の足場がいきなり抜けてびっくりしたが、どうやら以前から重みで亀裂が入っていたようです。
「既に」
「既に」は「すでに」と読み、「以前に・とっくに」という意味があります。「予々」と同じく副詞として使われることが多い言葉です。
【例文】
- 缶ジュースの応募シールを集めていたが、既に応募期限が切れていることに今朝気がついた。
- 彼はこれから始まる授業の課題をすっかり忘れていたようだ。これから作成すると言っているが既に回収は終わってしまった。
- 電車が遅れ私が学校に着いた時には、既にテストが終わっていた。
「予々」のおまけ
今回「予々」について紹介しましたが、「々」をパソコンで打ち込む方法はご存じでしょうか。実は「々」は「踊り字」と言って特殊記号の1つです。「各々」(おのおの)と入力して各を消すという方法を取る方もいますが、他にも方法があります。
「々」の字は、「おなじ」または「くりかえし」と入力して変換すると出てきます。入力速度を考えるとどちらが良いとも言えませんが、是非参考にして下さい。