「印象に残る」とは
「印象に残る」の「印象」とは、何かを見たり聞いたりしたときなどに使われる表現で、主な意味は次の通りです。
- 対象が人間の精神に直接与える感覚的あるいは情熱的な影響
- 簡単には忘れられないほど心に強く感じること
- 体験したあと、心に残っている感じや記憶に残っている対象の姿
したがって、「印象に残る」とは、魂を奪われるような感動や、はっとして言葉を失うような衝撃などが、後々まで忘れられない、いつまでも頭から離れないという意味です。
印象に残る人や風景、印象に残る言葉などに出会うと、初めて接した時に感じた、心が揺さぶられるような深く鮮やかな感覚がいつまでも強く心に残って消えないものですよね。
「印象」のその他の意味
「印象」には、上記以外にも次のような意味があります。
- 物の面などに押ししるされた跡、また何かを押ししるすこと
- 美学で、アートなどの美的対象が人の精神に与える効果
- 「いんぞう」と読んだ場合、仏像を印刷すること、また印刷された仏像
「印象」が、物理的な物に具体的な形をつけることにも使われる点が興味深いです。
「印象に残る」を使った例文
- 学生時代の思い出で最も印象に残っているのは、やはり、京都への修学旅行だ。
- 印象に残るも何も、彼女を一目見て、忘れられる人はいないのではないか。
- 彼ほど強烈に人の心を揺さぶり、印象に残る人もそうそう存在するものではない。
- 印象に残る言葉は数々あれど、誰かにそれを聞かれると披露するのはためらわれる。
- 数年前に見た映画のラストシーンが強く印象に残っていて、いまだに忘れられない。
- 面接担当者の第一印象に残るためのノウハウをセミナーで学んだ。
「印象に残る」の類語
- インパクトが強い:心理的、物理的な衝撃が強いこと
- 感銘を受ける:深く感動すること
- 心に染みる:心に深く感じること
- 目の覚めるような:はっと驚くような動作や様子
- 劇的な:演劇を見ているような感動や緊張を覚えること
- 琴線に触れる:良いもの、素晴らしいものに触れて感銘を受けること
- 痛感する:身に染みて強く感じること
「琴線に触れる」
「琴線」とは、日本の伝統楽器の「琴(こと)」に張られた弦(糸)のことで、転じて、物事に感動する心情を表すものとして比喩的に用いられる言葉です。そこから「琴線に触れる」は、上記のような意味を持つようになりました。
2016年、文化庁が発表した平成27年度「国語に関する世論調査」の結果を見ると、「琴線に触れる」を「怒りを買ってしまう」と理解している人が30パーセント以上いますが、これは間違いで、正しくは「感動や共鳴を与えること」という意味であると説明されています。
「印象に残る」の英語表現
英語で「印象に残る」を表現するときは、「impressive、impression」がよく使われます。
- That earthquake was intense impressive for all people in Japan.(あの地震は日本中全ての人に強烈な印象を残した。)
- What movies made the biggest impression last year?(去年、最も印象に残ったのはどの映画ですか?)
- I want to leave a great impression at the interview.(面接ではぜひとも良い印象を残したい。)
- The word which he has told me a few years ago left me a powerful impression.(数年前に彼が言った言葉が未だに強く印象に残っている。)