「包括的」の意味
「包括的」は「ほうかつてき」と読みます。以下のような意味を持つ言葉です。
- 全部をひっくるめて1つにまとめること。
- 1つに合わせしめくくること。
「包」は「つつむ」と読み「物をおおって中に入れる」という意味があります。一方「括」は「くくる」と読み「1つにたばねる」という意味があります。つまり「包括」は2つの漢字を組み合わせ「物をおおって1つに束ねる」という意味ですね。
「包括的」の使い方
「包括的」は日常会話で気軽に発せられる言葉では無く、新聞やニュースなど固い表現をする場合に用いられます。例文で使い方を見ていきましょう。
- 彼は突出した得意科目は無いが、包括的にみるととても優秀な生徒である。
- 1996年9月10日に包括的核実験禁止条約が国連で採択された。
- 彼女は勉強は決して得意ではないが、運動や性格など包括的に考えると出来る子だ。
例文にあるように「包括的」は「どれか1つ」ではなく「全体像」を捉える時に使う言葉です。ちなみに包括的核実験禁止条約の包括的とは「宇宙空間・大気圏内・水中・地下あらゆる空間で」という意味で用いられています。
「包括的」の類義語
「総括」
「総括」は「そうかつ」と読み、以下のような意味があります。
- 全体をまとめて取り締まること。
- 全体を総合して、しめくくること。
【例文】
- 今回の会議を総括すると、彼の提案書は不採用だと言うことだ。
- 今日受けた模試を総括すると、数学以外の科目には自信がある。
「一括」
「一括」は「いっかつ」と読み、以下のような意味があります。
- 1つにくくること。
- 1まとめにすること。
【例文】
- 今日買った商品は全て一括支払いにした。
- 大掃除で出たごみを一括にしてゴミ置き場に出しに行った。
「集約」
「集約」は「しゅうやく」と読み、以下のような意味があります。
- 集めてまとめつづめること。
- いくつかの要素を整理して、一本にまとめること。
【例文】
- 採決票を集約した結果、賛成多数により議題が可決された。
- みんなの意見が集約される形で新聞に掲載された。
「包括的」の対義語
「包括的」の対義語は全てをまとめるのでは無く、1つずつにスポットを当て扱うという意味の言葉になります。対義語の意味と使い方をみていきましょう。
「限定的」
「限定」は「げんてい」と読み、以下のような意味があります。
- 事物の範囲や数量を限り定めること
- 思考の対象の性質・限界をはっきり定めること。
全ての事柄を1つにまとめる「包括的」とは逆で、1つのことに対象を定めています。
【例文】
- 私は多くの分野で彼に劣っているが、運動に限定すると彼に勝っている。
- 包括的に見ると彼は魅力のある人物だが、性格に限定すると問題がある。
「個別的」
「個別」は「こべつ」と読み、以下のような意味があります。
- 1つずつ別々にすること。
【例文】
- 修学旅行の自由時間は個別に行動することが出来る。
- 全員参加で議論を重ね、個別の意見をまとめることにした。
「包括的」を英語で
「包括的」は英語で「inclusive」や「comprehensive」、「overall」が一般的に使用されます。
【例文1】
He doesn't have a good subject,but overall he is a very good student.
(訳:彼は得意科目はないが、包括的に見るととても優秀な生徒だ)
【例文2】
She is excellent overall,but has a problem in her character.
(訳:彼女は包括的に見ると優秀だが、性格には問題がある)
【例文3】
When I put the opinions of the conference together in a comprehensive manner,this is what happened.
(訳:会議の意見を包括的に整理すると、このようになりました)