「選択肢」の意味
「選択肢」(せんたくし)とは、「ある質問に対して、回答の候補として挙げられているいくつかの項目」のことです。テストで多用される選択問題を思い浮かべるとわかりやすいですね。選択肢は2つ以上の項目から成り、上限は特に決まっていません。
また、「選択肢」は、「ある物事に対する条件や行動において、自分が選ぶことができるいくつかのケース」を指すこともあります。たとえば、夕飯のおかず、ボーナスで買うもの、卒業後の進路、いつ結婚するかなど、人生には大小の選択肢がたくさんあります。
「肢」とは
「肢」は音読みでは「シ」、訓読みでは「てあし」と読みます。「人を含む動物の手足」や「本体から分かれ出ている部分」」といった意味を表します。
「選択肢」か「選択枝」か?
「選択肢」という漢字の表記に違和感を持った人は、かなり日本語に精通した人でしょう。実は「日本語能力試験」を始めとする「検定試験」には「選択枝」の表記が使われているのです。
これには理由があります。テスト技術の研究や普及、評価技術のガイドラインの作成などを行っている「日本テスト学会」では、設問(stem)と選択肢(branch)に相当する英語の和訳から、「選択枝」という言葉を使うという判断を示しています。
「選択肢」という用語が広く使われていると思われるが、「肢」が当初当用漢字になかったことから枝が使われたが、身体用語を避けたいということ、英語で設問部分を「幹」(stem)といい、選択肢が「枝」(branch)にあたることから、本規準では「選択枝」という用語を採用することにした。
ー日本テスト学会『Ⅱ.基本条項の解説』より抜粋ー
このことから、「選択肢」と「選択枝」のどちらが正しいかは議論の余地があることがわかりますね。しかし、辞書には「選択肢」と表記されていますから、一般的にはこちらの表記を使う方が無難でしょう。
「選択肢」の使い方・例文
「選択肢」は「ある・ない」などの動詞と組み合わせることが多くありますが、「増やす・減らす」「広げる・絞る」といった言葉が続くこともあります。
例文
- この問題の答えは選択肢a~eの中に2つあるようだが、どれが正解か見当もつかない。
- 月末なので、夕飯は外食するという選択肢は無かったのだが、美味しそうなラーメン屋を見つけたので食べて帰った。
- 最近の不況によっていつ職を失うかわからない。いざというときの選択肢を増やすために、パソコンの資格勉強を始めた。
- 志望大学をなかなか決められずにいた私だが、先生と話し合うことで選択肢をだいぶ絞り込むことができた。
「選択肢」の英語表現
「選択肢」を英語にすると頭に浮かぶのが「choices」です。「I have many choices(沢山の選択肢を持っている)」となります。ちなみに日本語で言う「選択式テスト(≒マークシート式)」は「multiple choice test」となります。
【例文1】
- I want to go home to see a movie for a change of pace, but I have no choice ahead of the test tomorrow.
- 訳:気分転換に映画を観て帰りたいが明日にテストを控えた私に選択肢はない。
【例文2】
- College entrance examinations are realistic, but I want to expand my choices for studying abroad.
- 訳:大学受験が現実的だが留学など将来の選択肢を広げたい。