「拓ける」とは?意味や使い方をご紹介

「拓ける」は(ひらける)と読みます。(たく)という読み方なら知っていたけれど、という人は多いことでしょう。「開ける」と同じ意味でありながら、少々異なるニュアンスも含む「拓ける」の意味と使い方を、類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「拓ける」とは?
  2. 「拓ける」の使い方
  3. 「拓ける」の類語

「拓ける」とは?

「拓ける」は、(ひらける)と読みます。未開拓の土地、分野などを自分の力で切り開く、開拓する、という意味の言葉です。「拓ける」の意味を正しく把握するために、まずは「拓」という漢字を解説します。

「拓」の音読みは(たく)、訓読みは(ひらく)。意味は「①ひらく、未開地を切り開く」、「②おす、刷る」の二つがあります。「拓ける」においては、①の意味が該当します。

訓読みの(ひらく)は、実用漢字表の読み方には入っていないため、一般的には「開く」と表記されることが多いのです。「拓ける」の読み方が難しいと感じるのは、目にする機会が少ないからといえましょう。

「拓」の字義からも、「拓ける」が「なにもないところから意志をもってなにかを生み出す」、という意をもつことがわかりますね。

「開ける」と「拓ける」の違い

「開ける」は、多義的な言葉ですが、その中から「拓ける」と連動している意味を挙げてみましょう。

  1. 狭いところから広い状態に変わる
  2. 遮るものがなく見渡せるようになる
  3. 多くの人が住んで賑やかになる
  4. 文明などが進化する
  5. 良いほうへ向かう

「開ける」は、自己の努力でなす場合と、まわりの力や偶然などによってものごとが実現する場合の両方を表すことができます。一方で、「拓ける」には、自身の意志と努力によってなすという意味あいが含まれます。

たとえば、物理的に道のない山に迷い込み、たまたま道をみつけたときは「道が開けた」と表現することができます。しかし、「道が拓けた」と表す場合は、「自らの力で道をつくり、切り開いた」ことを指します。

「拓ける」の使い方

上述したように「拓ける」は、「自分で努力」した結果を示す意のフレーズであることに留意しましょう。

「拓ける」の文例

  • 小劇団の女優の恵理さんは、オーディションに何度も挑戦し、ついにメジャーな映画に出演する道が拓けた。
  • 幸福な運命を切り拓けるのは、努力と同時に喜びも感じる心のありかただ。
  • 北海道の地が拓けたのは、いにしえの屯田兵の開拓努力のおかげだ。
  • 少しでも地球の環境をよくすれば、子どもたちの未来にも希望が拓ける。

「拓ける」の類語

「先駆ける」の意味と使い方

「先駆ける」(さきがける)は、他に先んじて何かをなすことを意味します。努力によって道を拓くという意味で「拓ける」の類語たりえますが、「他に先んじて」という意味は「拓ける」にはありません。

【文例】商品の開発においては、なにごとも他社に先駆けることが重要になる。

「拡げる」の意味と使い方

「拡げる」(ひろげる)は、多義的な言葉ですが、そのなかの「規模や範囲、能力、勢力などを拡大していくこと」、「広く行き渡らせてゆく」などの意味での「拡げる」が「拓ける」の類語といえます。

【文例】最初は小さな一軒のパン屋だったが、オーナーが支店を拡げる努力をつづけ、今では大手のチェーン・ベーカリーに成長した。

「開拓する」の意味と使い方

「開拓する」(かいたくする)は、未開の地や山林を切り拓いて住居や道を作ること新たな分野や将来を切り拓くことを意味する言葉です。物理面だけでなく、運命や精神といった面でも使える表現で、前向きなフレーズと言えるでしょう。

【文例】人類の歴史は、未開の地を住居地にする、道具の開発をするなど、ありとあらゆるものを開拓する歴史だったともいえよう。


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