「くだしあ」の意味
「くだしあ」とは、「ください」を意味するネットスラングです。「ください」と読む語には、以下のとおり「補助動詞」と「動詞」の二つが存在していますが、「くだしあ」は両方の意味で使うことができます。
- お願い事をする際に用いる補助動詞「ください」
- 請求を意味する「くれ」を丁寧に表現する動詞「下さい」
「くだしあ」のイメージやニュアンス
後述しますが、「くだしあ」はキーボード入力ミスから生まれたネットスラングということもあり、ちょっと「間抜け」な印象を相手に与えます。ただし決して悪い意味ではなく、いわゆる「ドジっ子」のような雰囲気です。
また、語感の響きの柔らかさや「ドジっ子」のイメージなどから「可愛らしい」というニュアンスも含んでいます。これらのイメージやニュアンスは、お願い事を柔らかく、優しく伝えたいときに役立つかもしれません。
「くだしあ」の使い方
「くだしあ」は、「ください」や「下さい」と同じ感覚で用いることができ、何か「お願い」や「請求」をしたいときに使います。たとえば「書き込み内容の情報ソース(情報源)が欲しい」「サイトのURLが欲しい」ときなどです。
ただし、「くだしあ」はネットスラングですので、使用する場面は基本的にインターネット上に限られます。親しい友人同士なら、LINEなどのやり取りでも用いることができるでしょう。ただし、ビジネスシーンやオフィシャルな場では使えません。
「くだしあ」の例文・使用例
- そのツールの使い方、もっと詳しく教えてくだしあ。
- そのキャラの画像もっとくだしあ。
- youtubeで動画投稿しているので、みんな見てくだしあ。
「くだしあ」を使うときの留意事項
「くだしあ」は少し古いネットスラングです。今でもtwitterなどで使用している人が見られるため「死語」とまでは言えませんが、明らかにピークは過ぎています。
良くも悪くも「古風なスラングを使ってるなぁ」という目で見られる可能性がありますので、その点、留意しておきましょう。
「くだしあ」を使う意図とその効果
「くだしあ」を意図的に使う人の胸中には、「優しく柔らかく依頼することで、お願いを聞いてもらいやすくしたい」という気持ちがあるようです。
ネット掲示板に集う人たちは基本的に赤の他人同士なので、もともと他人に協力する義理はありません(もちろん、なかには優しい人もいますが)。
そのような環境で自分のお願いを聞いてもらう確率を上げるためには、なるべく角が立たないような依頼表現にする必要があります。その点、「くだしあ」の持つ優しい響きは、依頼文として一定の効果が狙えるようです。
「くだしあ」の元ネタ
「くだしあ」はキーボードの入力ミスから生まれたネットスラングです。ローマ字入力で「kudasai(ください)」と入力すべきところを、「a」と「i」が逆になって「kudasia(くだしあ)」としてしまったのが元ネタと言われています。
アルファベットの前後を間違えて入力するミスは、急いでタイピングをする際によく起こります。「くだしあ」の場合は、なんとなく「ください」のことだと把握できる点や、語感が可愛らしい点などから、拡散されて使われるようになったと考えられます。
初出の書き込みが確認されていないため正確な起源は不明ですが、インターネット掲示板『2ちゃんねる(現5ちゃんねる)』などでは2005年頃から使われていたと言われています。ネットスラングのなかでも、比較的歴史のある表現です。
「くだしあ」が天気予報に登場
2013年には、気象ニュースを提供している「tenki.jp」の気象予報士による記事にて、本文中に「くだしあ」という誤記が存在し、それがそのまま公開されたことがありました。
台風の接近に関する、予想される降水量や警戒すべき地域などの情報が述べられた後、なんと最後の一文で「土砂災害や川の増水などに厳重に警戒してくだしあ」と表記されていたのです。
緊迫した文面から一転して間の抜けた結びとなったこの記事は、ネットユーザーの間で話題となり、「くだしあ」というネットスラングも再び注目を浴びることとなりました。