「目の上のたんこぶ」とは?
「目の上のたんこぶ」とは、うっとうしいもの、邪魔なもの、目障りなものを例えることわざです。主に、自分より立場や能力が上である人物に対して使われます。
「目の上のこぶ」も同じ意味のことわざです。目の上にたんこぶができると、非常に邪魔で、うっとうしく感じることから、このように言われます。
「目の上のたんこぶ」使い方
- おせち料理を毎年作っているけれど、いつもお姑さんに美味しくないとかきれいじゃないとか言われるの。ほんとうに、「目の上のたんこぶ」だわ。
- 大学のサークルの飲み会には、いつも卒業したOBがやってきて先輩風を吹かすんだ。「目の上のたんこぶ」だから、ちょっと遠慮してほしいものなんだけどな。
- 企画書を何度出しても、直属の上司からいつもダメ出しが入る。親切心から言ってくれているのかもしれないけれど、言い方もきついし、正直なところ「目の上のたんこぶ」にしか思えない。
いろはかるたと「目の上のたんこぶ」
「いろはかるた」は、お正月に遊ぶことの多い「かるた」の一種で、いろは47文字と「京」を合わせた48文字に対応したことわざを使ったかるたです。
江戸時代に京都で作られて、その後、大阪、尾張、江戸に伝わったと言われています。有名なものに、江戸いろはかるた、上方いろはかるた、尾張いろはかるたがあり、地方によって内容が異なります。
このうち、江戸いろはかるたと尾張いろはかるたに、「目の上のたんこぶ(または、目の上のこぶ)」という札があります。ちなみに、上方いろはかるたの「め」の札は、「盲(めくら)の垣覗き」で、やっても無駄なことを表すことわざです。
「目の上のたんこぶ」類語
「目の上のたんこぶ」の類語に、「鼻の先のいぼいぼ」があります。鼻の先にあるいぼいぼは、いやでも視界に入ってきて邪魔なことこの上ないが、どうしようもない、ということで、「目の上のたんこぶ」と同じような意味を表しています。
「目の上のたんこぶ」英語での表現
「目の上のたんこぶ」を英語で表したものには、次のような表現があります。
- A thorn in one’s side(横にあるトゲ:少し動くだけでチクっと刺さるような面倒な人や物事の例え)
- A thorn in one’s flesh(肉に刺さったトゲ:面倒な人や物事の例え)
- A pain in the neck(首の痛み:面倒な人や物事の例え)
- A pain in the butt(おしりの痛み:面倒な人や物事の例え)
「目の上のたんこぶ」打撲の対処法
邪魔なもの、うっとうしいものの例えとして使われることわざ「目の上のたんこぶ」ですが、実際に目の上を打撲して、たんこぶができてしまったときはどのように対処するのが良いのでしょうか。
答えは、「まず冷やす」です。このとき、急激な温度変化に弱い眼球は直接には冷やさずに、目の周りだけを冷やすようにします。
まぶたの皮膚は人間の身体の皮膚の中でももっとも薄く、皮下組織も少ないため、ちょっと打撲しただけですぐに腫れてきてしまいます。
強く打ってしまったときは眼球への影響も心配されますが、腫れたまぶたを上げて視力を測ってみて、異常がなければそれほど心配はないと言われています。
ただし、物がはっきり見えなくなったり、二重に見えたり、まぶたの腫れが激しかったりするようなときは、眼球へのダメージがある可能性もあるので、眼科への受診が必要です。
また、打撲から数日たってもまだとても痛いようなときは、眼窩(眼球の周りの、おわんのように骨がくぼんでいるところ)の骨折が心配されるので、こちらも眼科への受診がベターとされています。
まぶたの腫れは1~2週間くらいでひくことが多いようですが、皮下出血であざになってしまったようなときは、あざがきれいに消えるまで2週間から一月くらいかかることもあるようです。
また、野球のボールなどが目に当たって、たんこぶができることもありますが、硬式ボールよりも軟式ボールのほうが眼球へのダメージが大きいとされています。