「爾来」の意味
「爾来(じらい)」とは「それ以来」「その後」といった意味を持つ言葉です。古い小説などで見かけることはありますが、現在ではそれほど使われている表現ではありません。
「爾来」の例文・使用例
- 彼とは三年前に大喧嘩をし、爾来、音信不通の状態が続いている。
- 勝っているときほど油断しがちだということに気づき、爾来、常に油断せずに事をすすめるようになった。
- 爾来、この日を迎えるまでの八年間、一度たりとも忘れたことは無かった。
「爾」と「来」の字義
「爾」という字には、以下のような意味があります。「爾来」に使われているのは2の「その」「それ」で、いわゆる指示代名詞としての用法です。
- なんじ。おまえ。
- その。それ。この。これ。
- しかり。そのとおりである。そのように。
- のみ。だけ。
また「来」という字には、様々な意味がありますが、おもな意味は以下の通りです。「爾来」に用いられているのは3の用法です。
- こちらにくる。近づいてくる。
- これまで経てくる。起こりきたる。
- 過去のある時点から今まで。このかた。
- 時間的に。これからくる。
- 今の次の。
つまり指示代名詞の「爾」と合わせると「その時点から今まで」ということになり、そこから「それ以来」や「その後」といった意味につながっていったのでしょう。
「爾来」の類語
爾後
「爾後(じご)」とは、「その後」「それ以来」を意味する言葉です。またタクシー業界用語では、初乗り以降に上乗せされていく料金のことを指していました。現在では「加算」という表現が使われることが多いです。
【使用例】爾後私と先生は、お互い二度と合うことは無かった。
以往
「以往(いおう)」とは、「その時からのち」「以後」「以降」を意味する言葉です。なお似たような表現に「已往(いおう)」がありますが、こちらは「それより前」「以前」という意味です。
【使用例】二十年以往ご無沙汰だった裁縫に手を出す。
アフター
「アフター」とは「あとの」「のちの」を意味する言葉で、英語の「after」に由来しています。「アフターケア」や「アフターサービス」「アフターファイブ」など、さまざまな語と結びついた表現が存在します。
【使用例】あそこの電気屋さんはアフターサービスが充実してるので、いつも利用している。
以降
「以降(いこう)」とは、「ある時よりあと」を意味する言葉です。「10時以降」「明日以降」のように、基準となる日付や日時とセットで使われることが多いです。
なお、「10時以降にウチに来てください」と言われた場合、「10時ちょうど」に訪れても良いのかどうかが話題になることがあります。この場合は10時ちょうどに訪れても大丈夫です。
「以」という字は「時間・範囲・方向などの起点」を示す語です。したがって10時以降とは「10時を起点として、それ以降」という意味になりますので、10時は範囲に含まれるわけです。
【使用例】プレゼン資料が完成したら、明日の11時以降に私のところにまで持ってくること。