「爾来」とは?意味や使い方をご紹介

「爾来」は「じらい」と読みます。普段あまり使われない表現のため、この言葉をご存知の方は少ないでしょう。ただし、古い小説などでたまに見かけることがありますので、教養として覚えておくと、いざという時に役立ちます。ここでは「爾来」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「爾来」の意味
  2. 「爾来」の例文・使用例
  3. 「爾」と「来」の字義
  4. 「爾来」の類語

「爾来」の意味

爾来(じらい)」とは「それ以来」「その後」といった意味を持つ言葉です。古い小説などで見かけることはありますが、現在ではそれほど使われている表現ではありません。
 

「爾来」の例文・使用例

  • 彼とは三年前に大喧嘩をし、爾来、音信不通の状態が続いている。
  • 勝っているときほど油断しがちだということに気づき、爾来、常に油断せずに事をすすめるようになった。
  • 爾来、この日を迎えるまでの八年間、一度たりとも忘れたことは無かった。

「爾」と「来」の字義

」という字には、以下のような意味があります。「爾来」に使われているのは2の「その」「それ」で、いわゆる指示代名詞としての用法です。

  1. なんじ。おまえ。
  2. その。それ。この。これ。
  3. しかり。そのとおりである。そのように。
  4. のみ。だけ。

また「」という字には、様々な意味がありますが、おもな意味は以下の通りです。「爾来」に用いられているのは3の用法です。
  1. こちらにくる。近づいてくる。
  2. これまで経てくる。起こりきたる。
  3. 過去のある時点から今まで。このかた。
  4. 時間的に。これからくる。
  5. 今の次の。

つまり指示代名詞の「爾」と合わせると「その時点から今まで」ということになり、そこから「それ以来」や「その後」といった意味につながっていったのでしょう。

「爾来」の類語

爾後

爾後(じご)」とは、「その後」「それ以来」を意味する言葉です。またタクシー業界用語では、初乗り以降に上乗せされていく料金のことを指していました。現在では「加算」という表現が使われることが多いです。

【使用例】爾後私と先生は、お互い二度と合うことは無かった。

以往

以往(いおう)」とは、「その時からのち」「以後」「以降」を意味する言葉です。なお似たような表現に「已往(いおう)」がありますが、こちらは「それより前」「以前」という意味です。

【使用例】二十年以往ご無沙汰だった裁縫に手を出す。

アフター

アフター」とは「あとの」「のちの」を意味する言葉で、英語の「after」に由来しています。「アフターケア」や「アフターサービス」「アフターファイブ」など、さまざまな語と結びついた表現が存在します。

【使用例】あそこの電気屋さんはアフターサービスが充実してるので、いつも利用している。

以降

以降(いこう)」とは、「ある時よりあと」を意味する言葉です。「10時以降」「明日以降」のように、基準となる日付や日時とセットで使われることが多いです。

なお、「10時以降にウチに来てください」と言われた場合、「10時ちょうど」に訪れても良いのかどうかが話題になることがあります。この場合は10時ちょうどに訪れても大丈夫です。

「以」という字は「時間・範囲・方向などの起点」を示す語です。したがって10時以降とは「10時を起点として、それ以降」という意味になりますので、10時は範囲に含まれるわけです。

【使用例】プレゼン資料が完成したら、明日の11時以降に私のところにまで持ってくること。


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