「滂沱」とは?意味や使い方をご紹介

「滂沱」は小説や古い文書などで稀に見ますが、日常生活で使われることは少ないため、実際の使用頻度は低いでしょう。しかしこのような言葉は、いざというときに使えると、周りから教養のある人として見られることもあります。ここでは「滂沱」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「滂沱」の意味
  2. 「滂沱」の使い方
  3. 「滂」と「沱」の字義
  4. 「滂沱」の類語・慣用表現

「滂沱」の意味

滂沱(ぼうだ)」は、小説や古い文書などでは稀に見かけますが、日常会話や一般雑誌などではほとんど見かけない表現です。そもそも、この言葉を「ぼうだ」と読める方は少ないかもしれません。

「滂沱」とは、雨の降りしきるさま」「涙がとめどなく流れ出るさま」「汗や水などが激しく流れ落ちるさまを指す言葉です。「雨」や「涙」など、水や水分が大量に流れ出ている様子を表しています。

「滂沱」の使い方

滂沱」は難しい表現ですので、日常会話や普段のメールなどにおけるやり取りでは使用を控えたほうが無難です。「大量の雨が降っている」「涙が止まらない」などのような、一般的によく使われている言葉を用いたほうがコミュニケーションには便利でしょう。

一方で、改まった場での発言や、少しお堅い文章を書きたいときなどで「滂沱」を使えると、周囲に知的なイメージを与えることができるかもしれません。状況に応じて使えるよう、しっかり使い方を覚えておきましょう。

「滂沱」の例文・使用例

  • 滂沱の雨に打たれながら、彼はここ一週間の出来事を振り返った。
  • この激しい雷雨では外に出ることが出来ず、ただただ滂沱たる大雨の様子を眺めるのみだった。
  • ここ一番の大勝負に負けた悔しさで、涙が幾筋も滂沱と流れた。
  • 先遣部隊の敗北の報を聞いた指揮官の顔に、滂沱として涙が流れる。

「滂」と「沱」の字義

「滂」

「滂沱」の「」という漢字には、以下の意味があります。

  1. 雨がしきりに降るさま。
  2. 涙が流れ落ちるさま。
  3. 豊かで広いさま。
  4. 水が盛んに流れるさま。

「沱」

また「」という漢字には、以下の意味があります。

  1. 水がしたたり落ちるさま
  2. 水の流れるさま
  3. 川の名前。沱江(だこう)。

「滂」「沱」、いずれの字も水や涙が流れ落ちる様子を表しています。同じような意味の漢字を並べることで、意味をより強めているのでしょう。

「滂沱」の類語・慣用表現

滂沱の涙

滂沱の涙(ぼうだのなみだ)」とは、「とめどなく流れる涙」のことです。「滂沱」よりもこちらの「滂沱の涙」のほうが一般的に普及していますので、覚えておくと役に立つでしょう。

【使用例】

  • 友人の訃報を受けて、彼は滂沱の涙を流した。

流汗滂沱

流汗滂沱(りゅうかんぼうだ)」とは、「汗が盛んに流れ落ちる様子」を意味する四字熟語です。「流汗」とは、字面のとおり「汗が流れる」ことを意味します。

【使用例】

  • 運動後の彼は大量の汗をかいており、まさに流汗滂沱といった感じだった。

流汗淋漓

流汗淋漓(りゅうかんりんり)」とは、「流れる汗がしたたり落ちる様子」を表す四字熟語です。なお「淋漓」とは、「水や汗、血などがしたたり流れる様子」を意味する言葉です。

【使用例】

  • 炎天下のもとでの作業だったので、まさに流汗淋漓というように、大量の汗が出てきた。

慟哭

慟哭(どうこく)」とは、「悲しみのために、声を上げて激しく泣くこと」を指す言葉です。単に声を上げているだけの泣き方や、嗚咽を漏らしているだけの泣き方とは異なり、感極まった末に大声で泣き叫ぶような、激しい泣き方を表しています。

「慟哭」の「慟」は「なげく」「身もだえして悲しむ」という意味があり、「哭」は「声を上げて泣く」ことを表しています。

【使用例】

  • やっとのことで故郷にたどり着いたものの、幼馴染はすでにこの世を去っていたことを知り、彼は慟哭した。

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