「ええんやで」の意味
「ええんやで」とは、相手の謝罪や反省に対して、それを許す際に使われる言葉です。「いいですよ」や「大丈夫ですよ」と同じような意味・ニュアンスで使われます。
これだけだと、なんの変哲もない只の関西弁のように見えますが、「ええんやで」にはもう一つ説明すべき重要な点が存在します。
ネットスラングとしての「ええんやで」
実はこの言葉、インターネット掲示板『2ちゃんねる(現5ちゃんねる)』の「なんでも実況J板(通称:なんJ)」や動画配信サイト『ニコニコ動画』などで頻繁に使われている、いわゆる「ネットスラング」としての一面を持っているのです。
例えば、だれかが間違ったコメントなどをして、「申し訳ない」「すまない」といった謝罪をしたとします。そのときに仏の顔で「ええんやで」と返すのです。
とくに「すまんな」⇒「ええんやで」の流れはお決まりのパターンとして認識されており、ネット上ではテンポの良いやり取りが繰り広げられています。
「ええんやで」の使い方
「ええんやで」をネットスラングとしての意味で使いたい場合は、やはりこの言葉を理解している人の数が多い『5ちゃんねる』や『ニコニコ動画』、twitterなどのSNSで使用するのが無難です。
とくに「すまんな」というフレーズを使って謝罪している人に対しては「ええんやで」と返してあげると、相手にも喜ばれますし周囲の雰囲気も良くなるでしょう。
なお以下のように、「ええんやで」の語尾にカッコ付きで表情を書くこともあります。こうすることで、現在の自分の心境を合わせて相手に伝えることができます。
- ええんやで(ニッコリ
- ええんやで(ニヤリ
- ええんやで(キリッ
ただし最近では上記のようなカッコ表現はあまり見られず、端的に「ええんやで」と返す人が多いです。
使用例①
(A)
さっき〇〇選手の打率を書いた者だけど、あれ間違ってて、本当は打率2.89だったわ。すまんな。
(B)
ええんやで。間違いは誰にだってあるもんや。
使用例②
(C)
さっきはつい熱くなって言いすぎてしまった。すまんのぉ。
(D)
ええんやで(ニッコリ
「ええんやで」の元ネタ
「ええんやで」は日常的に使われる表現ということもあり、正確な元ネタは不明です。一説によると前述の「なんでも実況J板(通称:なんJ)」を利用していたユーザーが「すまんな」の返しのフレーズとして作ったと言われています。
また「なんJ」では、2010年頃から語尾に「~やで」を付ける関西弁のような口調が流行しており、このような風潮の延長線上で「ええんやで」が自然発生的に生まれたのではないかとも言われています。
「ええんやで」関連のネットスラング
すまんな
「すまんな」とは「なんJ」をはじめとしたインターネット界隈で使われているスラングで、失敗を謝るときに使います。「すまんの」「すまんのぉ」と表記されることもあります。
2004年に当時プロ野球阪神タイガースの選手だった下柳剛投手が、中日ドラゴンズ戦で打ち込まれて降板した際に、後続のリリーフ投手に対してこの言葉を呟いたのが元ネタです。
いかんのか?
「いかんのか?」も「なんJ」などで使われているネットスラングで、自分が感じた不満や腑に落ちない点を、疑問として相手に問うときに使います。「(〇〇しちゃ)いかんのか?」と書くこともあります。
2007年8月24日にプロ野球読売ジャイアンツの原辰徳監督が、記者の質問に対して発したコメントが元ネタです。なお「いかんのか?」に対しては「いかんでしょ」と答えるのが定番のパターンとなっています。