「そうはならんやろ」の意味
実際には起こり得ないような滅茶苦茶な・ファンタジックな話をされたとき、みなさんならどうしますか?「いやいや、そんな状況にはならないだろ!」「待て待て、そんな発言が出るのはおかしいだろ!」といった「ツッコミ」を入れるのではないでしょうか?
「そうはならんやろ」は、そういった状況で使う「ツッコミ」のひとつです。また、「そうはならんやろ」のお約束の返しは、「なっとるやろがい!」。そんなこといっても実際にそうなってるじゃないかと訴えるニュアンスで用いられます。
「そうはならんやろ」の使い方
「そうはならんやろ」は、日常的な会話でもツッコミ台詞として使われる言葉ですね。しかし、5ちゃんねるやニコニコ動画、そのほかのSNSなどで漫画やアニメの話をする時は、上でご説明した通り、「そうはならんやろ」⇒「なっとるやろがい!」という流れがお約束になっています。
たとえば、ニコニコ動画で配信されるファンタジー系や能力バトル系の作品で、ヒーローが現実ではありえないような「神業(かみわざ)」を使ったシーンでは、次のようにコメント(弾幕)が飛ばされることがあります。
(A)
(並んでいるわけでもない複数の敵をたった1発の銃弾で倒すなんて、現実には)そうはならんやろ
(B)
なっとるやろがい!
また、ラブコメ作品で、ヒロインの着替えシーンを偶然見てしまうような、いわゆる「ラッキースケベ」シーンでも、このようなやりとりはよく見られます。
(C)
(ヒロインとぶつかった時に偶然、手が胸に触ってしまうなんて、普通は)そうはならんやろ
(D)
なっとるやろがい!
「そうはならんやろ」の元ネタ
「そうはならんやろ」や「なっとるやろがい!」の元ネタとなったのは、『ポプテピピック』という漫画作品。本作は同タイトルでアニメ化もされました。「そうはならんやろ」などが使われたのは、漫画原作1巻102話やアニメ第3話です。
本作の主人公は、女子学生「ポプ子」と「ピピ美」。ある日、ピピ美は路上で高速回転しているポプ子を見かけました。「歩いていたら床がどっかいった」と事の顛末を説明するポプ子。
ピピ美は「(床がどっかいっただけでは)そうはならんやろ」と冷静に突っ込みますが、ポプ子は「(実際に)なっとるやろがい!」とキレたのです。
このシーンにおける二人のシュールなやり取りや、アニメ版での担当声優の迫真の演技などがネットユーザーの間で話題となり、『ポプテピピック』を代表する名言として各所で使われるようになりました。
『ポプテピピック』とは?
『ポプテピピック』は、大川ぶくぶによる4コマ漫画作品で、竹書房が運営するウェブコミック配信サイト「まんがライフWIN」にて2014年より連載されています。
本作は、時事ネタやパロディネタ、ブラックユーモアなどをふんだんに盛り込りこまれており、ネットを中心にカルト的な人気を誇っています。
また、『ポプテピピック』は2018年にアニメ化されました。原作をリアルに再現したシュールな作風や、主人公のポプ子とピピ美を毎回違う有名声優が演じるなど独特の演出がなされて話題となり、知名度が一気に上昇しました。
ニコニコ動画で配信された第1話は、当時の史上最速ミリオン再生記録を更新しており、ネットユーザーから厚く支持されていることが窺えます。
ネットで人気の『ポプテピピック』名言
いっぱいちゅき
ポプ子から「私のことどれくらい好きか教えて」と聞かれたピピ美は、頬を染めながら「いっぱいちゅき(いっぱい好き)」と答えたのです。
『ポプテピピック』のシュールな作風からは想像できないような微笑ましいこのシーンは、ネットユーザーの間で話題となりました。
さてはアンチだなオメー
謎の生命体から「(『ポプテピピック』は)つまんね…」と言われたことで、ポプ子は、「さてはアンチだなオメー」と言い放ちました。
語感の良さやインパクトの強さなどから、インターネット掲示板やSNSなどでは、何らかの批判的な書き込みをした人への返答として、この台詞が使われることがあります。