「微粒子レベルで存在する」とは?
「微粒子レベルで存在する」(びりゅうしれべるでそんざいする)とは、「存在する可能性がゼロではなく、ごくわずかな確率ながら存在しているかもしれない」という意味のネットスラングです。
あまりにも極端な省略ですが、「微レ存」(びれぞん)と表記されることも多くあります。(そのまま略したのであれば読み方は「びれそん」のはずですが、なぜか「びれぞん」と濁ります)
「微粒子」とは
「微粒子」とは、粒子の中でも特に細かい粒子のこと、特に物理学では「クォーク」や「レプトン」のような、原子よりもなお小さい、物質の最小単位を構成する要素のことを指します。
「微粒子レベルで存在する」というスラングは、いっけん目には見えない、詳細に分析してみなければ存在が確認できないような対象物の様子を微粒子にたとえ、その存在可能性に言及しているわけですね。
とはいえ、「微粒子レベルで存在する」はあくまでもネット上で生まれた俗語的な言い回しです。実際に物理学分野における「微粒子」の定義や性質から生まれた言葉ではありませんので、ご注意ください。
「微粒子レベルで存在する」(微レ存)の使い方
疑問形での用例が多い
「微粒子レベルで存在する」(微レ存)は、多くの場合「存在する」という言い切りの形ではなく、以下のように「存在する…?」と疑問形で用いられます。
- 微粒子レベルで存在する(している)…?
- 微レ存…?
この場合、疑問形と言っても誰かに聞いているわけではなく、「(ある対象物が)存在するのだろうか…?」と、自問している形です。疑問符の前にある「…」(三点リーダー)は、疑問を口にする際の微妙な間を表しているわけですね。
特に使用基準はない
「微粒子レベルで存在する」の使い方について、特に使用基準はありません。「微粒子レベル」とは言うものの、実際にはかなり幅広い可能性について使うことができます。
天気予報で例えるならば、降水確率が90%でも、50%でも、10%でも、場合によっては100%や0%の確率でも「今日、雨が降る(降らない)可能性が微レ存…?」と言うことができます。
実は「微粒子レベルで存在する」には反語的なニュアンスが含まれています。すなわち、可能性がほぼ「0%」や「100%」であることがわかっていても「もしかしたら~かもしれない」と、無茶な願望を面白おかしく言い表すスラングでもあるのです。
例文
- 友達に電話がつながらない。まだ寝ている可能性が、微粒子レベルで存在している…?
- 起きたら九時だった。すでに一時間目の授業が始まっている時間だけど、急げば間に合う可能性も、微粒子レベルで存在している…?
- 来週の旅行の日だけど、仕事で急用が入る可能性が微レ存だから、行けなかったらごめんね。
- 円周率がどこかで割り切れる可能性が、微レ存…?
「微粒子レベルで存在する」の元ネタ
「微粒子レベルで存在する」の由来は、ネット上の有名掲示板である2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)に書き込まれたネタであると言われています。
その書き込みは大人向けゲイビデオ『真夏の夜の淫夢』を元ネタとしており、公序良俗に少々反する内容であるためここでは詳細を差し控えますが、元々は「〇〇が分子レベルで残留している…?」という書き込み内容だったようです。
「分子」が「微粒子」に、「残留している」が「存在している」に言い換えられ、現在に至ったと考えられています。
「巨粒子レベルで存在する」
「微粒子レベルで存在する」とよく似たスラングとして、「巨粒子レベルで存在する」(きょりゅうしれべるでそんざいする)という表現もあります。こちらも「巨レ存」(きょれぞん)と略されます。
「巨粒子」なる概念は科学的には存在せず、単純に「微粒子」を対義語的に言い換えたものです。「微粒子」の場合と比べて、「ほぼ間違いなく存在するだろう」というニュアンスが強めですが、使い方の差はその程度です。
例文
- 梅雨に入ったし、明日も雨が降る可能性が、巨粒子レベルで存在している…?
- 今から頑張れば、私でも志望校に合格できる可能性が、巨レ存…?