「勘ぐる」とは?意味や使い方をご紹介

「勘ぐる」という表現は、小説や雑誌などで見かけることはあるでしょう。しかし、日常会話では頻繁に使われる言葉ではないので、きちんとした意味や使い方を知っている方は少ないかもしれませんね。ここでは「勘ぐる」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「勘ぐる」の意味
  2. 「勘ぐる」の使い方
  3. 「勘ぐる」の語源
  4. 「勘ぐる」の派生表現
  5. 「勘ぐる」の類語

「勘ぐる」の意味

「勘ぐる(かんぐる)」とは、相手が何か隠し事をしているのではないかと、あれこれ気をまわして考えることです。相手の行動や心情などが、自分にとって悪い方向に向かっているのではないかとネガティブに考えているときに使います。

「勘ぐる」の使い方

「勘ぐる」は、相手の言動を疑っているときに使う言葉ですので、使い方によっては不快感を与えてしまうこともあります。使う場面や使う相手を慎重に選びましょう。

「勘ぐる」の使用例

  • 根拠もなく他人を勘ぐるのは、あの人の悪い癖ですね。
  • 最近のあの人の行動はかなり不審でしたので、あなたが勘ぐるのも無理はないですね。
  • どうやらあの人は私のことを勘ぐっていたようだ。
  • 理由もなく勘ぐられるのは気分が悪い。

「勘ぐる」の語源

「勘ぐる」は漢字で書くと「勘繰る」です。元々は、「かんくる」と読んでいたそうですが、次第に音が濁り「かんぐる」と言うようになったとされています。

「勘」とは、「物事の意味や良し悪しなどを、直感的に感じ取る能力」のことです。一方、「繰る」とは、「細長いものを少しずつたぐって巻き取る・手元に寄せる」という意味。「絡繰(からくり)」や「やり繰り」といった表現にも使われていますね。

「勘ぐる」の派生表現

勘ぐり

「勘ぐる」の名詞表現が「勘ぐり」。また、「勘ぐり過ぎ」は、「勘ぐり」に「程度が度を越えている」という意味の「過ぎ」を付け加えた表現です。

【使用例】

  • 変な勘ぐりは良くない。
  • いくらなんでも勘ぐり過ぎだよ。

下衆の勘ぐり

「下衆の勘繰り(げすのかんぐり)」とは、「品性が無く低劣な人は、何かにつけて物事を悪い方向に考えたり、余計に気を回すものだ」という意味のことわざです。「下衆」は、「身分の低い者」や「心がいやしい・品性が下劣」な人や様子を指しています。

【使用例】噂話を真に受けて色々と詮索するのは、下衆の勘ぐりというものだ。

「勘ぐる」の類語

訝しむ

訝しむ(いぶかしむ)」とは、「怪しく思う・疑問に思う・不審に思う」こと。ここでの「訝」という漢字は、「あやしむ・疑わしく思う」などの意味があります。「訝しむ」は「勘ぐる」とほぼ同義と言えるでしょう。

【使用例】

  • 真夜中にすれ違った小太りな男を、彼は訝しむように見る。
  • 彼は本当のことを言っているのか。私は訝しんだ。

邪推

邪推(じゃすい)」とは、「ひがみから、悪い方向に推測する」ことです。「邪」の字は、「よこしま」も読み、「正しい道から外れている・ねじけている」ことを表します。「邪推」も「勘ぐる」とほぼ同じ意味です。

【使用例】

  • 今まで誠実に業務を遂行してきた私を疑うなんて、邪推も甚だしいです。
  • 彼女との仲は、君が邪推するようなものではないよ。

推察

推察(すいさつ)」は、相手の行動や心情に対して思いを巡らすことを表します。「勘ぐる」が人への不信感を含んでいるのに対し、「推察」にはネガティブなニュアンスはありません。

【使用例】

  • 大切な人を失った彼の胸中を推察する。
  • 彼女が釈明せぬ理由を推察することは簡単だった。

推測

推測(すいそく)」とは、ある情報や事柄に基づいて、他の事柄の見当をつけることです。人に対して用いる「勘ぐる」と違い、人以外の事柄に対しても用いられます。

【使用例】

  • 天気を見て、明日は晴れるだろうと推測する。
  • 彼女が体調を崩したのは、仕事のストレスのせいだと推測した。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ