「パーリーピーポー」の意味
パーリーピーポーは、元々パーティが好きな人を意味する言葉です。しかし、最近はパーティが好きそうに見える人、お祭り騒ぎをする元気な若者、ハメを外して大騒ぎし周りに迷惑をかける人などの意味で使われるようになっています。パーリーピーポーは、パリピとも略されます。
「パーリーピーポー」の使い方
パーリーピーポーはそのまま名詞として使われるだけでなく、「パーリーピーポーな」「パーリーピーポーする」といった使い方があります。
- ま、俺、パーリーピーポーだし
- イベントやライブ、飲み会と回り、パーリーピーポーな週末を送る
- ノリノリでパーリーピーポーする
「パーリーピーポー」の語源
パーリーピーポーの語源は、英語でパーティーが好きな人を指すparty people。カタカナにすると、パーティピープルですね。より流暢に発音したものをカタカナで書き取ると「パーリーピーポー」になります。なぜ、このように聞こえるのでしょうか?
英会話の中では発音が崩れると、母音に挟まれた"T"の音は、"L"に近い音に変化しやすいと言われています。partyの"T"の音が変化した結果、日本人には「パーリー」と発音しているように聞こえるのです。
一方、peopleはピープルと表記しますが、英語では"ple"で終わる単語を「プー」や「ポー」に近い音で発音します。そのためpeopleも「ピーポー」と発音するのです。他にもapple「アッポー」、couple「カッポウ」などがあります。
「パーリーピーポー」の歴史
パーリーピーポーは、元々「休日パーティピープル」だったという説があります。これは、平日は仕事にまじめに打ち込み、休日はパーティを楽しむ人を指す言葉で、公私にメリハリをつける人という意味でした。
1999年には作家の林真理子が、著書でパーティ・ピープルについて言及。ここでは、「必ずパーティには顔を出して、そのファッションをチェックされる人たち」 とされています。華やかなパーティに、ドレスやタキシードで出席するような人を想定した言葉ですね。
その後、J-POPの曲名や歌詞の中に、party peopleやパーリーピーポーという言葉が使われ、広く普及するようになりました。2015年には略語であるパリピが、「ギャル流行語大賞」の1位に選ばれています。
現在のパーリーピーポーは、クラブやイベント、どんちゃん騒ぎが好きな人として解釈されています。近年問題になっている、ハロウィンに渋谷で大騒ぎする若者は、まさに近年のパーリーピーポー像の典型です。
「パーリーピーポー」の意味はなぜ変わった?
英語ではパーティー好きな人という意味だったものが、日本ではどんちゃん騒ぎが好きな人という意味にまで変わったのはなぜでしょうか?ここで、日本と欧米とのパーティーに対するイメージについて考えてみましょう。
たとえば、ホームパーティひとつをとってみても、日本では友人を家に招いて楽しく飲み食いする場といったものです。他方、欧米では招待状が作られたり、ウェイターがいたり、限りなくフォーマルな場とされています。
パーティを社交の場ととらえる欧米と、気楽に楽しむ宴会ととらえる日本。パーリーピーポーという言葉の変化の背景のひとつには、こうした日米におけるパーティのイメージの違いがあるのかもしれません。
「パーリーピーポー」まとめ
一見、軽いイメージの「パーリーピーポー」という言葉にも、それぞれの時代背景が映し出され、さらには日米の文化の違いも秘められていたことがお分りいただけたでしょう。若者文化の中にも、意外な歴史や変遷があるものですね。