「肉肉しい」とは?意味や使い方をご紹介

グルメレポートなどで時々使われる「にくにくしい」という言葉。「憎々しい」と変換してしまうと違った意味になってしまいます。これは「肉肉しい」と書く、比較的新しく登場した言葉です。そこで、今回は「肉肉しい」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「肉肉しい」とは
  2. 「肉肉しい」の使い方
  3. 「憎々しい」とは
  4. 「肉肉しい」が生まれた背景

「肉肉しい」とは

一度は食べてみたい肉のイメージとして、大きな骨つき肉、いわゆる「漫画肉」を挙げる人もいらっしゃるでしょう。かぶり付くと中からジュワッと肉汁が溢れ出し、噛めば噛むほど旨みが口の中に広がるような食感を想像してしまいますね。

今回ご紹介する「肉肉しい」という言葉は、そのようなジューシーで量感たっぷりの肉のイメージから生まれたと言われています。

「肉肉しい」の意味

肉肉しい<にくにくしい>」という言葉は比較的新しい造語です。肉料理に対して「食べ応えがある・しっかりと肉の旨みがある」、あるいは、体つきに対して「肉付きのいい」という意味で用いられます。

「肉々しい」ではない?

同じ漢字を続けて使う場合、「益々<ますます>」「山々<やまやま>」のように、二文字目を「々」などの踊り字で置き換えることがあります。

しかし、「肉肉しい」については、「肉しい」と表記されることは少ないようです。「々」で置き換えず、「肉」という漢字を重ねることによって、より肉のボリューム感が表現されるからでしょう。

「肉肉しい」の使い方

肉料理に対して使う場合

「肉肉しい」は肉料理に対して用いられます。ステーキなど肉にあまり手を加えない料理だけでなく、ハンバーグのような挽き肉料理や、ラーメンのように肉がメインではない料理に対しても使われる言葉です。

  • このハンバーガーは肉肉しくて旨い。
  • あそこのラーメンは(トッピングが)肉肉しくてボリュームがあるね。

グルメレポートなどでよく使われている表現ですが、あくまでもフランクな表現です。たとえば、高級な食事を奢ってもらった時などは使わない方が良いかもしれませんね。

体つきに対して使う場合

体つきについての表現に「肉肉しい」を用いる場合、筋肉が隆々としている様子、または、肌の色艶のいいぽっちゃりとした様子を指します。

  • 最近、彼はずいぶんと肉肉しくなった。毎日ジムに通っているおかげかもしれない。
  • 仕事が忙しくてやせ細っていた彼女も、生活スタイルを変えてから少し肉肉しい体つきになったね。
  • 運動不足の上に、ストレスでついつい食べ過ぎてしまうから、すっかり肉肉しくなってしまったよ。

他人に対して使う場合は、おもに、筋肉がたくましい・福々しいといった健康的でポジティブなイメージで用いられます。また、自分に対して使う場合は、太っていることを自虐的に表現していることが多いようです。

「憎々しい」とは

多くのワープロソフトでは、<にくにくしい>を漢字変換すると「憎々しい」が表示されるでしょう。こちらはもともとあった言葉です。

「憎々しい」とは、「ひどく憎らしい・とても癪にさわる」ことを表す形容詞。「憎々しさ」「憎々しげ」といった派生形でも用いられます。

  • 彼に会うのは久しぶりだが憎々しい目つきは相変わらずだ。
  • 彼女の不遜な態度は憎々しいことこの上ない。
  • 上司に対する腹立たしさと憎々しさから、酒をあおるペースも早くなった。
  • 彼女はその男の名を憎々しげに口にした。

「肉肉しい」が生まれた背景

グルメレポートでは、「美味しい」「旨い」という言葉は極力使わないそうです。若者言葉では、美味しいことを「ヤバい」と言いますが、これも同様。これらの言葉を使ってしまうと、感想が完結してしまいますし、語彙力が無いと思われてしまいます。

「肉肉しい」は、豊富な語彙が求められるグルメレポートにおいて生まれた言葉のようです。しかし、このような表現はどんどんと使い古されていきます。

しばらく時間が経てば、「肉肉しい」もテレビなどでレポーターが使うことはなくなり、またあらたな表現が生まれているかもしれませんね。

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