「折り合いをつける」とは?意味や使い方をご紹介

交渉の場などで使われる「折り合いをつける」という言葉。「折り合いをつける」とは、対立する意見の中で、あるいは自身の気持ちの中で妥協点を見つけるという意味で使われます。今回は「折り合いをつける」の意味や使い方を詳しく解説します。

目次

  1. 「折り合いをつける」とは
  2. 「折り合いをつける」の使い方
  3. 「折」とは
  4. 「折り合いをつける」にみる温かさ

「折り合いをつける」とは

「折り合い」は、対立関係を長引かせないための妥協点のこと。したがって、「折り合いをつける」とは、立場や意見の異なる者同士が譲り合って一致点を見つけることを指します。ここでポイントとなるのは‘譲り合って‘という部分です。

「折れる」は「妥協」を意味する言葉ですが、「妥協」による一致には、片方が諦めて意見を取り下げているケースが少なくありません。一方「折り合い」は、「合う」が付くことにより「お互いに妥協しあって(=譲り合って)」という意味になります。

「折り合いをつける」という言葉は、自分と相手、あるいは他者同士だけでなく、自分自身に対しても用いられます。その場合は、自分が抱えるさまざまな感情の妥協点を見つける、つまり「気持ちを整理する」や「心のバランスをとる」という意味で使われます。

「折り合いをつける」の使い方

  • チームには気の合わないメンバーもいるが、なんとかうまく折り合いをつけてやっていこう。
  • 価格面での交渉が長引いたが、ようやく折り合いをつけることができた。
  • 勉強や部活など悩みは尽きないが、方向性を定めるために早く気持ちに折り合いをつけよう。

「折」とは

日々の生活の中で、特に人と人との関係において「折」という字が用いられている例は多数あります。ここでは「折」という漢字と、「折」を使った熟語について見ていきましょう。

「折」の字義

「折」という字は、「斤(おの)」で草木を切断したさまを表しています。「断つ」というのがもともとの意味で、転じて「おる・くじく」などを表すようになりました。

「折」という漢字には「おる・くじく」のほかにも、「さだめる・責める・死ぬ・わける」などの意味があります。

「折」のつく熟語

「折」の付く熟語は数多くあります。その中から、いくつかの例をみてみましょう。

  • 折角(せっかく)…力を尽くすこと。骨を折ること。
  • 折檻(せっかん)…厳しく叱ったり、こらしめの体刑を加えたりすること。
  • 折衝(せっしょう)…利害関係が一致しない相手と問題を解決するために、かけひきをすること。
  • 折衷(せっちゅう)…二つ以上の考え方や事物から、それぞれのよいところをとって一つに合わせること。
  • 折半(せっぱん)…半分にわけること。

この中で「折り合いをつける」の「折」と同義のものはどれでしょうか。かけひきに用いられる熟語は「折衝」ですが、「衝(つ)いて来る敵をくじく」という意味を含んでいることから、「折り合い」と同義ではないと考えられます。

「折り合い」は「折衷」に近いでしょうか。「折衷」の「折」は、「さだめる=(調整する)」の意です。

「折り合いをつける」にみる温かさ

「折り合いをつける」は「妥協し合う」とほぼ同じ意味ではありますが、「妥協」という言葉を使うと、どこか冷たい印象になります。しかし、少し言い回しを工夫するだけで、同じ意味でありながら、柔らかく温かみのある印象に変えることができます。

「折り合いをつける」には、「妥協」という言葉にはない、相手への思いやりや温かみが感じられるでしょう。言葉に丸みを持たせることは、円滑な人間関係を築くための手助けにもなります。皆さんも、日常生活の中にこのような表現を取り入れてみてはいかがでしょうか。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ